第26話 下らない呼び出し

 翌朝……寝落ちしたジュリは従魔に起こされる。


「「にゃ」ミャーー」

「うお!」

「みゃーー」

「にゃーーー」


 う!顔に乗るなく、苦しい!


「止めくれぇー、下りろーお前達…………」


 二匹を顔から剥がして脇に退ける、そしてまた夢の世界に誘われる………。


「にゃ!」

「みゃーん」

「お前ら………しつこい。起きる起きるよ!」


 飯だろ、今やるから……うう眠い……。


「ふぁ~」


 欠伸をして、ベッドから下り部屋を出てリビングに向かい中に入る。

 そして、アイテムボックスから猫缶三缶出して皿に分けてから、一匹づつ目の前に皿を出しておく。


「ほれ、食え」

「にゃ」

「ミャー」


 二匹は余程腹が空いて居たのか……凄い勢いで、皿に顔を突っ込んで食べ始めた……。

 ガツガツと二匹の猫?が、エサを食べる様をソファーに座って見ながらまたボーッとする。

 うぅ……まだ眠い…………。


 うとうととしてると、なんか……これは寝る。



◆◇◆◇◆◇




「おはようございます、起きてください!」

「………うぉーー!」


 な、なに、なに?夢か!

 回りをキョロキョロとする。

 そして、頭が冴えて来て自分が何処にいるのか……理解した。

 またかよ…………!


「おはようさん。で?」

「おはようございます。樹里さん旅を満喫してますか?」

「してねぇよ!どうせ見てるんだろ?」

「ええ、バッチリと。フフフ」


 面白がってんなよ!こっちは行く所、行く所でトラブルだよ。


「フフフ、それが私達には面白いんですが。……ですが流石にね?」

「流石にね?なんだよ」

「哀れで……」


 しくしくと泣き真似をする神さん。

 なにこの神達は………俺切れても良いよな?

 バチは当たらん筈だ!


「ま、まぁ、押さえて、押さえて下さい。からかったのは、お詫びしますから」

「あっそう!で?」

「で?」


「で?」と聞いて、「で?」とオウム返ししてくるとか……あり得ねぇ……。


「…………帰る」

「ま、待ってください!」

「どうせまた、催促だろ?」

「当たりです。前回貰ってないので……女神達が……怒り爆発です」

「ふん!知るかよ」

「あーーー樹里が居るわ。樹里!あんた化粧水出しなさいよ、早く出して頂戴!」

「……なに?その鬼の形相は!そんな顔してたら皺が増えるぜ!女神さん」

「え?し、皺、皺!本当に?」

「本当にだよ!怒るとここに眉間に皺寄るだろ?眉間の皺が跡になるし、目付きが悪くなると目尻の皺も取れねぇぜ?フフフ」

「ひぃ!」


 と、女神が顔を押さえる。

 うけるぅヶヶヶ(笑)


(樹里さん……)

(なんだよ!)

(余り、女神をからかうのは……)

(煩い!お前が悪い!)

(ひ、酷い)


 小声でこそこそと話してると、復活した女神が更に怒る。


「樹里!貴方私を」

「嫌、からかってないぞ?本当だもん」


 そう言ってニヤリと笑ってやる。


「う!」

「樹里さん……そう、意地悪しないで上げて下さいよ~」

「え~、だってさぁ……人から、おねだりするくせに?全く俺には何もないとか?図々しい神が居たもんだ!神が人に物をねだるとか、あり得ねぇ~」

「「う!」」

「しかも、俺らの行動笑って見てるんだろ?そんな者のために何で俺が、あんたらの言うことだけを、聞かないとならないのかなぁ?意味がわかんないなァ~。んじゃ、おやすみ」



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