第9話 情報を聞こう。

 俺達は、流れの冒険者!とでも思って貰っても良いのだが。


「いろんな町で、依頼を受けてたんだけどね?ランクの問題で……色々ね?」


 嘘ではないよな……たぶん。


「それで、海を眺めなから、暫くゆっくりしたいんだって!兄ちゃんが」

「こ、コラ!ま、まぁ、そんな感じですかね?」

「で?そのゆっくりしたい冒険者が、シーサーペントの討伐か?」

「ええ、弟が見てみたいと言いますから。見せてあげようかと?」

「弟ね……似てないんだな?」


 俺達二人を見て疑う。

 んなの当たり前だが………そこは言わない。


「ハハハ、親が片親づつ違うんですよ。そんなの普通に有ることでしょ?」

「そ、それは、悪かった」

「別に。それで?依頼受けるけど……?」

「それは、有り難いが……、お前さんのランクには見合わない報酬なんだが」


 ガリガリと頭を掻いて悩むギルマス。


「報酬いくらでしたっけ?」

「あぁ、これな。金貨一枚に銀貨が3枚。もっと大きい町なら、もう少し出せるんだが…。ギルド支部がうちのギルドには、資金を出し渋りやがる」

「フフフ、それは平和な証拠では?」

「そうなんだがなぁ~。それだと、冒険者の質も落ちるし人も来ねぇんだよ」


 あぁ~それでさっきの男の様なのが居るのかな?


「ふぅ~ん。ま、俺には関係無いけど」

「まっ、そうか。なら、依頼を受けるで良いんだな?」

「ああ…で、悪いが詳しい情報を聞かせてくれよ?何分私達は、今日ここに来たばかりなんだからさ」

「ああ、情報は教える。ここだと何だから、別室に来いよ」

「えっ……でも、ここは?」


 ここは?と言ってカウンターを指でトントンと軽く叩いた。


「んなもん鍵閉めて置けば、何の問題もない!」

「は?誰か来たらどうすんの?」

「こんな寂れた町には、そうそうギルドのなんぞ頼って来ねぇーよ」

「そうなの?」


 カイトも不思議なのか?ギルマスに確認する。


「ああ、そうだぜ?坊っちゃん」

「坊っちゃんじゃないよ!ぼくはカイトって言うんだ」

「そうか?カイトね?ならカイ坊かな?」

「うん!」


 なに気に入ったのその呼び名を?


「さあ、入って適当に座ってくれよ」

「失礼するよ」

「お邪魔します」

「お、カイ坊は、礼儀正しいな?」

「フフフ、兄ちゃんがちゃんとしろって煩いからね」

「そうか、それは良い兄ちゃんだな?」

「うん!」


 そんな会話を聞いて、照れるが平常心を保ちギルマスの対面のソファーに座る。


「で?」

「で?ああ、情報な?」

「ああ、教えてくれ、あと、良い宿屋を知らないか?」

「良い宿ねぇ…んなもんこの町にはねぇよ?」

「はぁ、ないのか?」

「ま、まぁ、それは後で。シーサーペントの出る場所がえっと……地図、地図……お、これか」


 ギルマスが有ったと言って、テーブルに地図を広げ説明が始まる。

 これは……マップで照らし合わせる方が、良いかな?マッピングもできるしな。

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