第8話 依頼を受けるよ?

そして、碌でもない会話が未だ続く様でウンザリだよ。


「な、なに、こんな所でそんな話しをするの!バカなの?あんたもう要らないわ!ふん」

「そ、そんなぁ……昨日の夜はあんなに……」

「ば、バカなの?デリカシーないの?あんたなんか、金輪際関わりたくないわ。あんたの名前も、恥ずかしいっての思ってたのよ!」


 あぁ……デリカシーの前に、自分が尻軽なのをばらしてる感が……。

 そんな話しは聞きたくねぇ~。

 てか、こんな女しか居ないの?


「お前ら痴話喧嘩するなら、表に出てやれよ。それとマリーン、お前は今クビな?」

「えっ?…………なに」

「クビだ、クビ!ったく、ギルドに来た冒険者方端から、粉掛けて引っ掛けやがる。仕事も碌にしないで、人が居ないの見計らっていちゃつく!そんな職員は要らんわ。全く、ハンナが居ないから好き勝手しゃがって」

「そ、そんなぁ……。あたし、真面目に仕事しますからぁ~!ギルマスぅ~」

「俺に甘えた声をだしても無駄だぞ?気持ち悪い。俺にはちゃんと綺麗な、かみさんが居るんだからな!それにお前のような、尻軽はごめんだね。今までは大目に見てたが……、我慢の限界だ!出てけ」

「そ、そんなぁ……な、なら。い、今までの給金は?」

「んなもん、出すかよ!仕事も碌にしないと、ハンナから聞いてるからな」

「チッ!あの糞アマ。なら、出てくわよ!ふん」


 そして、マリーンと呼ばれた女はカウンターから出ると俺を一睨みしてギルドを出ていく。

 すると、出て行く女の尻を追いかけて男が女にしがみ付いてる。(笑)

 これはカイトに見せられないので、カイトの目を手で隠す。


「マ、マリーンちゃん、俺を見捨てるのか?」

「知らないわよ!あんたの所為いで、仕事をクビになったのよ!離して…よ!」


 と、男を蹴り飛ばすが、男がその蹴りに怯んで手が離れるがまた抱きつく。


「うぐ、そ、そんなぁ……マリーンちゃん」

「しつこい!離せ不細工!」


 と言ってまた蹴り付けて、ギルドから居なくなった。

 そして、残された男はマリーンを追いかけてギルドを出ていった。


 な、なんだったのかな?今の三文芝居は……。

 あっ、カイトの遮音解除。


「に、兄ちゃん?何があったの?聞こえなかったし、見えなかった」

「良いんだよ、見るとか聞くとかしなくても。あんな屑達の話しはね」

「そっか!」

「そうだよ。さて、貴方がギルマスさん?」

「え、あぁそうだ。すまなかったな?子供が居るのに、あんな会話を聞かせて」

「全くですよ。所でこれ依頼を受けたいんだけど?」

「え?依頼……これをあんだがか?」

「そうだよ?」

「さっきここに、着いたばかりと聞いたが?」

「まっ、そうだけど」

「僕が兄ちゃんにお願いしたんだ!」

「坊主がか?」

「そうだよ?兄ちゃん強いんだよ!」

「そ、そうか……。す、すまないが、カウンターに冒険者カードを、出して貰って良いか?」


 ギルドカードの提示を言われたので素直にカウンターの上に出す。


「はい、どうぞ」

「すまん確認させてくれ………」


 なにやら下を向いてカードを確認してる……。


「…………す、すまなかった。これは返すよ」


 騒がれる事もなく、カードを返して来たので受け取って懐に仕舞う。


「で、身元は確認出来たかな?」

「あぁ、君の様なランクの高い冒険者が、何しにきたんだ?こんな寂れた島の町に」

「寂びれて……ですか?」

「あぁ何にもないぞ?依頼ボードもそう大した依頼も無かったろ?」

「……まぁ、ハッキリ言うとそうですね?ハハハ」


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