第10話ついでに住む場所を

 依頼を受けて今はギルマスから獲物…シーサーペントの出現場所を詳しく訊く事になった。


「んで、ここが、今居る町だ!」

「ええ、それで?」

「でな、ここの……海岸から沖に1キロ進んだ場所がで良く奴が出てくる。それと、こっちも良く出てくるらしい」

「らしい?」

「あぁ、こっちは船から海を覗いて見ると影が見えると訊くな」

「……こっちは、確実に姿を見せるのか?」

「嫌、確実ではないな」

「………」


 てことは、どっちか姿を見せる確率が多いこっちに一度行ってみるか………。

 よし、マッピング完了っと。

 なら行くか……の前にだ。


「サンキュー分かった!なら早速向かうよ。それと、宿屋が無理なら。何処かに貸家とか、買える家はないかな?」

「貸家ねぇ……それはねえなぁ……。てか、ここに住むつもりなのか?」

「……それは考える。だから、様子見で宿屋が良かったんだけど。ギルマスの話しぶりだと、宿屋もそんなに良くはなさそうだし……」


 正直移動はもう疲れたし。


 そろそろカイトにも、人と触れあう時間が多い方が良さそうだし。

 人見知りが、漠上がりだしな。


「………それなら、この町から出ていった奴らの空き家が、その辺にゴロゴロしてるから。適当に住んで良いそ?」

「はっ、なにそれ?」


 そんなに適当で良いのか。

 でも、それはそれで後からトラブルにならないか?


「良いんだよ!誰も住んでないし、勝手に出て行った奴らの家だしな。あいつらはもう二度とここには、戻ってくるつもりもねぇだろうしな」

「そんなに空き家が有るのか?」

「ああ、このギルドの隣もそうだぜ?それから向の家も空き家だ。誰も管理はしてないから、勝手に住み着いても誰も文句は言わないだろうよ」


 ………それでいいのか?

 てか、それで、この町はやっていけるのか?

 勝手に住み着いても、町の人間から文句はないのかな?何気に怖いんだが……。


「い、いや……それだと勝手に住み着いて!とか、言われるだろ?」

「……まぁ、そうか……なら、ギルドが管理してたから、ギルドから買ったと言えば収まるぞ?」

「そ、そんな出任せいって、バレたら」

「誰もそこまで調べないぜ。なにせ人が少なくなって、皆仕事も減ってるんだし。人の事に構ってる暇があるなら、自分の生活をなんとかしないとと思ってる連中が多い」

「でもなぁ……」


 気が引けるし、怖いよ!それにカイトも居るんだ。

 町に長く住んでる奴らに何か言われそうだよな。


「町中が嫌なら、港から離れた丘に一件空き家があったな?そう言や。あぁ、思い出した。あそこはギルドが買い取って、買い手も付かずにそのままだな」

「んだよ、ちゃんと有るじゃん」

「ま、そういうなよ。家を買う奴なんて、そうそう居ないんだよ」


 出てく奴らが多いからなというギルマスだ。

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