第16話 滞在先を探そう!

 それからカイトとレツで朝飯食って、旅支度を済ませるとまた空を飛ぶ。


「なあ、カイト。………レツ重くねぇ?」


 一応抱っこ鞄にレツ入れてカイトが抱いてるけど。……抱えるのは重いよなぁ。


「まあね、でもさぁ~。移動するのはこの方法でしょ?……空の方が安全だし?」

「そうなんだがなぁ~そろそろ、地を歩こうと思ってよ」

「地面、ってことか?」

「そうそう。それだ、歩くのはウザいから乗り物でもと思ってな?」

「ええ、馬車移動なの?嫌だよあれ、前に一度乗ったけど……酔ったし」

「あ、そうだったな。お前酔ったな……。なら、後でなんか考えるよ」

「うん!そうしてよ」


 なら、車?それともバイクもいいかな。

 でも……そっち酔うのかな?

 あ!いっそのことキャンピングカーか!

 でもそれだと目立つなぁ~、安全なのはやっぱり馬車が一番だけど……。

 マップを横目に色々と考える。


 それにしても、何処に行くかな。

 俺の育った領地以外なら、どこでも良いかな。国は、何処でも良いけど……。

 帝国と共和国と公国はヤバイ気がする。


 と、なると……一番安全なのは……海沿いのあの国かな?


「良し決めた!カイト行くぞ捕まってろよ?」


 そう言って、フワフワと飛んでいたのをやめて、突然スピード上げて急発進させ、速度を上げて飛んでいく。


「な、何急に?何を思い付いたんだよぉ~!」


 そして、下り立ったのは小さな町の門の前とは行かないので、少し離れた場所だ。


「はい到着!ここで暫く滞在しようかね」

「に、兄ちゃん!さ、寒い!」

「へ?寒い何でさ?防寒はバッチだったろ?」

「顔、顔が寒かった耳も痛い。レツだって震えてる」


 レツを見ると鞄から出て震えてた。

 ……なんか………すまんな。(笑)


「あ~、お前ら歩け!歩いたら暖まるぞ」

「雑だよ!兄ちゃんはもう」

「ワハハハ。俺に付き合うなら慣れろ!てか、町に入るからな。そろそろちゃんとしろよ?レツは、門の側まで来たら鞄に入れろよ?目立つからな」

「分かった。レツ暫く歩くけど後でまた鞄に入ってね?」

「…………ニャー」


 それは……返事なのか?レツ。

 そして、カイトとレツで町まで伸びる道を歩く。


「なぁ兄ちゃん」

「なんだ?」

「馬車………買うの?」

「なんで?」

「だって、さっき地面がどうのと言ってた」

「ああ、それな。一応考えてるよ?馬居るけどな」

「……なんか物入りだね?」

「なんか、お前………」

「何?」

「主婦みたいだね?」

「………?なに、しゅ……なに?わかる言葉で言ってよ」

「あ~何でもない!しっかりしてきたなと、思っただけだよ。ありがとな!」


 カイトに礼を言って頭を乱暴になで回す。


「むぅ……誤魔化されてない僕?てか、痛いんだけど?」

「ハハハ、気にするなよ。それより、そろそろ門だぞ町にはいるからな。カード出せる様にしておけよ?」

「分かった。レツおいで」

「ニヤニヤ」


 と鳴くと鞄にストンと入る。実にスムーズだ。本当に慣れたね。


「さて、並んで町に入るぞ」

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