第22話 どら息子襲来!

 それから、外の騒ぎも気になる事もなく平和に庭でのんびりカイトと、お茶をしてると今度は塀から変な音がする。えっ?


「に、兄ちゃんあそこから変な音がしてるよ?」

「みたいだね。一体なんだ?壁は強くしてあるから、叩かれても壊れないけどな」

 金槌でも木槌で叩かれてもなんて事無いが…一体何で叩いてる?

「本当に?」

「本当だぞ!だけどカイト、レツ達連れて家に入ってろ」

「わかった。レツ!レオおいで家に入ろう」

「「にゃん」」

「良いか、カイト家から出てくるなよ?」

「うん!」


 それだけ言うと俺は門に向かって歩き門から出た。

 そして人の家の塀を叩く?蹴るってる奴らに声を掛ける。


「おい!あんたら人の家の塀になにするんだ!塀が壊れたら弁償して貰うぞ!ごらぁ~。舐めてんのか!」

「……お、お前、私には向かって、なんて口を利く!生意気な!」

「ああ?お宅こそなんだ!ここは俺の家だ!」

「だからどうした!ここは私の領地だぞ!」

「はあ?だからなんだよ。俺はちゃんと金払って、家を買ってるんだよ。ざけんなよ!」

「金だと?」

「そうだ、大金貨15枚も払って買ったんだ!ほら、これが証明書だ!」


 乱暴な男の、目の前に証明書を突き付ける。


「は……なんで、こんなもの」


 目の前に出した証明書に手を出して、引ったくろうとしたので咄嗟に証明書を引っ込めた。

 危ねぇ危うく取られて破られる所だったぜ!

 こいつ何なんだ?


鑑定……。


アーバスト・ネリンドバ・ロストール


ロストール町の領主の次男坊。

我が儘・粗忽者・ネリンドバ家の厄介者。

当主はこの息子は消えて欲しいと常々思っているらしいよ。

こんなゲス野郎はあり得ないよね?フフフ。


年は30才オヤジなのに未だに父親の脛かじり。

働かないでフラフラしてる。ありえねぇ~。

数人のチンピラと徒党と組んで悪さ三昧だ。

さてジュリこれをどうする?フフフ。

あぁちなみにおっさんのレベルは下の通り。


Lv 15


HP 60

MP 20


よく、これで生きてるよね?受けるぅ~。



 てか何だ、この鑑定の仕方…今迄こんな鑑定してないよな?


 ん~それで、この虫けらどうするか?

 それに一人じゃ無いんだよなぁ……何人居るの?

 1.2.3.4人ね……どれも屑だし着てる物もボロだ……最低だな。


「で、ご用件は?おっさん」

「お、おっさんだと!私はここの領主の息子だぞ!」

「だからその息子がなに?」

「この家は私が住む予定だったんだ!だから出ていけ!この、ガキ!」 


 ああ……鑑定大当たりですね?

 神様誰が協力してくれたのか。

 ありがとうございます!


「なら、大金貨400枚耳揃えて持ってこいよ!そしたら売ってやるぜ?フフフ」

「な、な、何だと!言うに事欠いて大金貨400枚だと!」

「当たり前だろ!ここに有ったボロ屋敷を立て直して壁も綺麗にしたんだ。資材も何もかも俺が、手持ちの金で用意して作り上げたのを、只で渡せる分けないだろ?普通に考えてもさっ!馬鹿だろあんた。人の家の塀を傷付けやがって!弁償しろよ!お前、父親連れて謝りに来いよ!そもそも名乗りもしねぇ屑が、なんて事しやがる!」

「く、糞餓鬼!お前こそ、親をだせ!ここに居るんだろ!」

「あんた馬鹿だろ?そんなん居ねぇよ!」

「ふん!唯の孤児の餓鬼風情が偉そうに!」


 餓鬼と言って俺に拳を振り上げてきた。


「ちっ!面倒だなファイヤー!」


 殴られる前に拳をよけ、反撃でファイヤーをブッバなしてやった!

 ただし!威嚇だがな!

 火の塊が、おっさんの脇をすり抜けるとその数メートル後ろで「ドガーン」と爆発する音が響いた。


「ひ!ひいいい!な、何をしやがる!」


 おおービビってやがるハハハ!面白れぇ。


「あぁぁん?自分が先に手を出して来たんだろ?知らないとは言わせねぇし、反撃されるのは当たり前なんだよ!正当防衛だぜ、知らねえの?ばぁーか」

「くぅぅ!お、お前ら行くぞ!覚えてやがれ!」


 捨て台詞を吐いて手下を連れ走って逃げて行った。

 やっぱ、馬鹿だった!そんなん忘れるわ!アホめが!


 てか、来たじゃんよ面倒なのが!ギルマス来ねえって言ってなかったか?

 それに、外の騒ぎもだ!ったく!おのオヤジ嘘こきやがって!

 これは一度ギルドのあのおっさんとつ捕まえて、訳を聞き出さないとな!

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