第4話 反抗期が……無いんだよね…。

 精神的に限界……なんだよ!


「ブッ、ワハハハ!そりゃそうだ。頭来るよな?家の餓鬼も今そうだぜ?反抗期!俺にもお前にも有ったろ?」

「い、嫌……俺はないんだよ。反抗……そんなことしたら、マジでヤバかったからさ」

「そ、そうだったか?」

「あぁ、逆らったら義父から半殺しだせ?それなら狩りして方が、ましだったしな」

「…………お前苦労してるんだったな」

「まあね。だから、どう対応して良いか分からなくて!困ってる」


 正直子供の世話は俺には無理だ。

 それが分かった、分かって仕舞った。

 それに赤の他人の子供だ。

 いまいち愛情と言う物が、何なのか良く分からない。


「それで、連れ帰ったのか?」

「ま、そんなとこだね。それに行く町行く町、トラブルばっかしだよ!あれには参った。クレルス王国のロストールだっかな?あそこのギルマス……サブに殺されてたし」

「………おい、ジュリ?今なんった?」

「え?だからロストールのギルマスが、サブに殺されてたって言ったけど、なに?」

「お前……それマジか?」

「おう、おおマジだぜ?鑑定したしな。それに、俺らを騙そうとしたしな。ククク」

「全く……ってか、少し待ってろ。協会に連絡するからよ」

「お、おう」


 しばしギルマスが戻って来るのを待つ……が、腹減った。


 カイトと毎日、三食ちゃんと食ってるとこの時間になると腹が減るんだよね。

 時間は………ああ、もう5時回ってるのか。

 ギルマスは未だ戻って来そうもない。

 なら、茶菓子で我慢するかな。


 ペットのお紅茶を出して、ビスケットを出して…ポリポリと摘まんてギルマスを待つ。


 呑気にギルマスを待ってると、部屋の外が騒がしい……なに?

 耳を澄ませて声を聞くと……あぁ、カイトとにゃんこにギルマスの声がする。


「はぁ~。騒がしい……」


 独り部屋で独り言………。


 そして部屋の扉が『バン!』と勢い良く開かれズカズカと入って来たのはカイトだ。


「兄ちゃん!」

「おう、カイト起きたのか?」

「……なに?その呑気な言い方………。なんで独りで菓子何て食ってんだよ!ムカつく!」

「にゃんこ……煩い!押さえててよ」


 カイトを無視して後ろで騒ぐにゃんこに声をかける。


「んにゃ!あたしの所為にゃ?違うにゃ!カイトが突然飛び起きて、ジュリにゃんを探し回って、ギルドの中は大騒ぎにゃ!」

「だから?」

「だから!ジュリにゃんの所為にゃ!」

「そう……悪かったね。にゃんこ」

「ってか、ジュリにゃん!あたしはミーニャって名前があるにゃ!」

「ハイハイ、にゃんこな?」

「うぅぅ!にゃー」

「ハハハ!悪いねミーニャ!」

「ふん、にゃ!」


 にゃんこをからかってるとカイトが怒り出す。

 ふん、怒れ怒れ!俺は知らん。


「兄ちゃん!何、僕を無視してるんだよ!」

「無視?してないぞ、なに?」

「なに?じゃないだろ。なんだよ、さっきからにゃんことしか話してないじゃん!」

「だから?」

「くぅーーー!なんでここに帰って来てるんだよ!」

「……別に?」

「………もう!いい」

『バン』

「か、カイト!何処に行くにゃー!まて!」


 それだけ言うとカイトは部屋を出て行き、その後をにゃんこが追いかけて行った。


 ククク、賑やかだよな!本当に……。

 古巣に戻って来た感じだよなぁ~。


「ふぅ~」


 と独り言溜め息を漏らした。

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