番外編 クリスマス……。
☆☆番外編☆☆
ありし日のクリスマス。
これは……ジュリ達がリリデアの町で世話に為ってから、4ヶ月暮らした頃にジュリがカイトの為に……。
町に慣れないカイトを、何とかこの町に馴染むように考えた苦肉の策の、クリスマスパーティーの話し。
☆☆☆☆☆
「メリークリスマス!」
「パーン」とクラッカーが弾ける!
部屋の中の飾りはツリーに、キラキラのモールが部屋中に飾りられて、なんとも落ち着かない部屋とテーブルの上に乗るのは豪華な料理だ。
それに、サンタクロースの格好をしたジュリが部屋に招いた人達に、クラッカーを弾かせ歓迎した。(恥ずい……)
「お、おい!ジュリ……豪華な飯だな?しっかしよぉ~。お前その格好にさっきのメ、メリーなんちゃらってなんだ?」
それに……このキラキラした部屋はとギルマス他皆が驚いて口々に、どうした?と聞いてくる。
「いいの、良いの!気にすんな。今日は12月25日!目出度い日だから。皆で祝いだよ!ほら!カイトお前には、お子様用のジュースだ飲め!ほら!」
グラスをカイトに渡してお子様用のシャンメリーを注ぐ。
「兄ちゃん…なんか浮かれてない?それに何の祝い?祝ってなに……」
「きにするな!祝いだからな!フフフ」
「だから…いわいってなに?」
「知らないなら後で教えてやるから、今は聞くな!面倒だ!わかったか?」
「うん………?」
「ほら、他の子供達も飲め!旨い飲み物だぞ!」
「「「「わぁーい」」」兄ちゃんこれ旨いの?」
「おう!飲んでみろ」
「う、うん……あっ!痛い口の中が痛い!でも………甘い!旨いぃーー」
「だろ?フフン!」
驚け餓鬼ども!
この世界は、全く行事がない。
あるのは、町の祭りぐらいか?それも領主の気分次第と言うか……。
国や、領主がなにもしなければ祭りはない。
何処かの国の、何処かの村に行けば収穫祭くらいはあるかも知れないが……。
日本の様な、正月から始まりクリスマスや年末の年越し等と言うイベントは皆無なのだ。
(春夏秋冬、何処かの地域で祭りがある地球だが……。この世界にはないらしい。グランバネルが言うのだから、無いのだろう)
「まあ、良いからさ飲んで食べようぜ?いいか、グラスを合わせて、こう言うんだ!メリークリスマス!ほら、ギルマスも、にゃんこも、フェルトさんもはい!」
「「「「め、メリークリスマス?」」」」
集まった皆はボカンとしてるが、関係ないね!
「な、なんか分からないけど……折角美味しそうな料理も有るわ。頂こうかしら?ねぇジュリ」
「だろ?ほら鳥の丸焼きに、ミートボールにハンバーグ!スパゲティにサンドウィッチ!魚のフライに、カツもあるぞ!それにサラダとおにぎり!色々作ったんだ!食ってよ。それとこの料理はさ、俺とカイトが世話に為るからその、礼と言うか……。宜しくと言う意味の、品だ皆これからよろしく頼む」
「なんだよそれは!」
「そうよ、こんなことしなくったって!」
「そうだよ?ジュリちゃん!あんた未だ子供なんだから!」
「いや、俺はもう成人してるから…マーサおばさん!」
「ハハハ。なら頂くよ?ジュリ。困ったら俺らを頼れよ?」
「おう!」
大人の皆は、このパーティの意図を組んでくれた様で食事を始めてくれた。
その様を見たジュリは、ほっと胸を撫で卸した。
全ては未だ人に慣れないカイトの為だと。
「ギルマス!シャンパン有るぞ?」
「シ、シャンパン?なんだそれは?」
「酒だ!うまいぞ。フェルトさんは?にゃんこも飲むか?受付のお姉さん方もどうぞ!」
「みゃ!呑むにゃ!ジュリにゃんとの食事は、珍しい物が食べれて嬉しいにゃ!」
「お、分かってるじゃねぇの!にゃんこ、飲め!」
「ジュリ!あんたあたし達の名前、覚えてないの?」
「えっ?覚えて………るよ?なんだっけ?」
「あんた!おぼえてないでしょ!それ」
「ハハハ、覚えてるよ?まあまあお姉さん飲んで!ほら」
シャンパングラスに酒を注いで進めるジュリだ。
なんともテンションが高い。
ジュリの出した食事と酒を、段々気に入りそして場が盛り上っていく。
ギルマスの奥さん、フェルトさんやそれに三人の子供達も楽しんでる。
近所でお世話に為ってる、マーサおばさんにその息子夫婦に孫のラジも来て大騒ぎ。
それに受付の三人の娘さん達、特にミーニャは大はしゃぎだ。
カイトが未だ人見知りで、慣れないので。
この12月25と言う日を利用させてもらう形にしたが……。
何とか為りそうだなと、ジュリは思いそれから二年この町に馴染み暮らすのだった。
さあ、皆様………。
~Merry Christmas~
みなさま様☆良いX'masを……。
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