第20話 どさくさ紛れに家を買う。

 カイトがいいタイミングで、ギルマスに依頼料を出せと言い出してくれた。本当助かるわ~。


「ぼ、坊主……」

「なに?ぼく、カイトって名前あるんだ!坊主じゃ無いよ?おじさん早くしてよ」

「お、おう…なら、ギルドの中にはいってくれ!支払うから」


 そして、三人でギルドの中に入り俺はカイトを抱き上げてカウンターの前に立つ。


「ほらよ、依頼料の大銀貨8枚だ」

「どうも、ならあの家の、家賃半年分だ。また半年経ったら支払いにくるよ。てか、あれ買うといくら?」

「あ、あそこ買うのか?」

「まぁな?」

「なら、大金貨20枚だ」

「おっさん……あのボロで、白金貨二枚だと?」

「………す、すまん。大金貨…15枚」

「随分吹っ掛けたな。おい!大金貨5枚くすねようとしたのか?、すげぇなぁ~。カイトこう言う悪い大人になるなよ?」

「うん!バレたら牢屋行きだもんね?そんなこと絶対しないよ?人生そんな事で駄目にしたくないもん!」

「つ!」

「フフフ、良い子だな。良く覚えておけよ?」

「うん!」

「そんじゃほらよ、さっきの半年分の金に追加だ。これで、大金貨15枚分になるよな?」

「す、すまねぇ……悪かったよ。少し調子にのっちまった…」

「そんなん、いいからさっ!書類作れよ」

「す、少し待っててくれ」

「おじさん早くね」


 そして、少し待てばギルマスが、書類を手に戻って来た。


「ほらよ、それが、あの家がお前さんらの物んだと言う証明書だ。ギルドの捺印と、俺のサインが入ってる。で、こっちの書類に、お前さんの名前書いてくれ」

「わかった」


 ここは、ちゃんとフルネーム入れておくかな。

 かきかき………ジュリ・サクマと。


「はいよ!なら二度と来ねぇ」


 書類と羽ペンをおいて、カウンターから離れギルドを出た。


「お、おい!まてよ……お前さん、き、貴族!」


 後ろで何か声がする?まあ…相手にしたくない。

 するとカイトが俺の腕を引っ張る。


「兄ちゃん?」

「なに?」

「後ろでなんか叫んでるよ?」

「良いんだよ。振り向くなよカイト」

「わかった。なら早く帰ろうよ!」

「なら、空から帰るか?」

「ええ嫌だ!」

「なら、歩くしかねぇなぁ」

「ええ、抱っこ!」

「抱っこなら空から帰るぞ?」

「………わかった、我慢する」

「良い子だ」


 空に上がると、すぐに自分の家が何処に有るのかわかった。

 なんか色々とあるが…家が有るって良いな。


「カイト、ほら見てみろよ」

「なに?どこ……」

「ほら、俺達の家が見えた」

「……凄い!空から見たら可愛い家だね?」

「そうか?」

「うん!それに広いねぇ~」

「せまくないか?」

「そんなことないぞ!」

「そう?ならかえって、外でBBQするか?」

「なんで?」

「だって、あれ…シーサーペント食うんだろ?」

「あ!そうか、あれって解体大変そうだね?」

「まあ、なぁ何とかなんるよ……」


 やべぇ………解体考えてなかったどうするかな?

 頭はないが……内臓………………。

 エグイだろうしなぁ、仕方ない裏庭に解体する場を地下に掘る?

 でも匂いがこもるか……?


 アイテムボックスの中で解体してくれねぇかな?


【……仕方ないわねぇ…ならこの前のお詫びよ♡】


 ん?なに今の声は……。

 アイテムボックスの中でなんか起きたか?


 アイテムボックスの閲覧欄になんかメッセージボックスが出来てるぞ…なんだ?


 ボックスを除くと……手紙?

 なに?ええっと…。


 #アイテムボックスの中に魔物をいれたら、頭で考えれば魔物が捌ける様にしたわよ!

 今回は特別よ。…この前のお詫び…♡

 じゃ~使って頂戴ね。  パルミラ♡


 ん~パルミラ様だったか……この前の喧嘩しちゃったからな。

 お詫びねぇ……仕方ない。

 ご希望の化粧品入れて置くか……。



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