閑話 カイトの旅。 2
そして、ある町に立ち寄り依頼を受けていたカイトは二人の冒険者と出会った。
最初はウザイと突き放して居たが、だんだん気が合うのが分かり、パーティーを組んで数回仕事をこなした時に、オークを三頭狩ると言う依頼があり三人で話し合って依頼を受ける事にした。
そして、森の中に入りオークを探して歩き3日目にオークを見つける事が出来た。
だがそれが間違いだった。
たった三頭狩るだけの話だったが、まさかオークの巣まで見つけてしまったったのだ。
それもキングオーガ迄現れてしまい、出来立てホヤホヤのパーティー等に、連携して魔物を討伐などできる訳もなく。
わたわたとして、オーク達に押されて。
何とかオークと対峙している時に、ジュリと旅をしていた頃に魔物を倒すコツを思い出し、何とかオークを倒すが。
数で負けてるので、どうにも為らず苦戦中していると突然誰かが俺と魔物の間に割って入って来た。
(だ、誰だ?なんだかすげぇ…強いんだが?)
と、呆気にとられてみてしまった。
そして聞き覚えのある声を聞いたのだった。
「よう!餓鬼ども、危なかったが……大丈夫か?そこのへばってんのは、生きてんの?まぁ、俺には関係ないがな?」
と、話し掛けて来たのだ!
俺は声の主が誰だか直ぐに分かると、嬉しく為り直ぐにその人に抱きついた!
ああ、あの頃の兄ちゃんだと!
懐かしい臭いと、あのがっしりした体格も変わって無いと。
あの時のままの兄ちゃんだと。
背は大分追い付いて、同じ背丈に為ったが…絶対に兄ちゃんだ!
そして兄ちゃんが。
険しい顔をして俺を睨む。
俺が話し掛けてるのに、その反応がおかしい……なんで?
俺のこと知らないって言ってる。
なんでそんなこと言うんだ?俺は1日だって兄ちゃんを忘れた事など無かったのに……。
俺の手を振り払おうとしてる?
なんで?
あ、俺がでかく為ったから俺が分からなく為ったのか?
なら、あの時のことを話せば思い出してくれる?
でも…チビ達のことを話しても反応が薄い?なら!
「俺さ!あの時の事謝りたくて!そんで町に戻って兄ちゃんと、あの家で暮らしたいんだ!兄ちゃんとさ!兄ちゃんを探すのに、もっと時間が掛かるかな?とか思ったけど。ここで会えた!俺兄ちゃんから預かった金も、ほとんど使ってないんだ!ギルマスに預けててさ!」
兄ちゃんに笑って話し掛けたら……。
気味悪!なにこいつって顔をしてから返事が返って来たけど…。
「あっ……ああ、べつにあの事は、気にしてねぇよ?それに金は、お前に俺がやったんだろ。なら返す必要もねぇ!それから、俺は町では暮らせねえ。チビ達が居るからな。んでギルマス?には宜しく伝えてくれよ。カイトくん?ならアバヨ!腕離せ!」
よかった!俺の勘違いだ!なら、聞いても良いよな?
「じ、じゃ兄ちゃん今何処に居んの?」
「それを教えて、どうすんの?お前」
え?なにその返し、え?だって……。
「兄ちゃんとまた、一緒に…」
「なにそれ?俺は独りが楽なんだ、邪魔すんなよ。ほら離せよ、いい加減にしやがれ!じゃないとぶち殺すぞ!」
と言った挙げ句に、ウォーターポールをぶつけられて逃げるようにして、俺の前から消えて仕舞ったのだ。
な、何で………水浸しに為った俺は呆然としてその場で固まった。
な、なんだよ…独りが好きってさっ……兄ちゃん。
そんなに俺は兄ちゃんを傷つけてしまったのか?
そして消えてしまった兄ちゃん。
俺が肩を落として落ち込んで居るのに…仲間の二人が俺に命令してきた。
「おい!カイト!魔物の素材回収するんだから、手伝えよ!いつまでそんなところで固まってるんだよ!」
なんだよこいつら……俺の気持ちも知らない癖に!ムカつく!
そして、カイトは腹を立てながらも仲間の言う素材を集めて町のギルドに戻ったのだった。
それからまた、仲間と仕事をこなしていくが…ジュリと会った時の事が忘れずに居たカイト。
だが、仕事をしないと暮らせないので仕事をしていくが…。
だんだん仲間との考えが、ずれて行くのが分かった頃に、ダンジョンアタックと言う話を仲間の一人がしてきた。
二人は乗り気の様だったが…俺はダンジョンに潜った経験はないと一度断った。
すると、仲間からの文句が多くなり仕方なくダンジョンに潜る事を了解したのだったが…。
これがカイトの誤算だった。
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