第17話 カイトに甘過ぎる

 そして、ルブルス王国内の一つの領地に下り立つ。

 場所はダクドランク辺境伯爵の領地。

 この領地にある町で、今日は一泊しょうと思う。

 それと、ギルドに行って魔物を売らないとマジ懐が寂しく成ってきた。


「カイト」

「なに?」

「この先の町に入るんだ。また、門があるからそこまで歩いてくれよ?」


 下り立った場所から、西に向けて指をさしカイトに歩いてくれと頼む。


「うん、町に泊まるの?」

「出来ればそうしたいと、思ってる」

「分かったよ。それと、ギルドにも行くの?」

「お!良くお分かりで…カイト、頭良いねぇ~」

「兄ちゃん。僕を誉めても何も出ないよ?」


 そんなのは分かってるよ。それに何も出さなくても良いぞ?君は俺の保護がまだまだ居るだろ。

 まぁ、手伝いをしてくれれば俺は文句は無いしな!


「兄ちゃん、兄ちゃんてば!なに笑ってんの?キモい」

「き、キモいだと!お前……俺にそんな言葉を使うと!飯抜きにすんぞ!」

「ええ!」

「フフフ冗談だよ。ま、今後キモいは禁句だけどな!」

「兄ちゃん禁句って、なんだ?」

「カイトには、難しい言葉だったな。ごめんごめん」

「なんだよ、僕をバカにしてさ!」

「ま、そう怒るなよ。カイト」

「ふん」


 おっと……カイトが拗ねたか?


 だけど、そんな事で拗ねてる場合ではないだろ?カイト。

 保護した虎の子は?目を覚ましたのか確認しないとな。


「カイト、拗ねてても良いがな……。保護した虎の子が、目を覚ましたか確認しないと」

「あ!そういえばそうだね……どうするの?」

「ん~考えて無かったよ」


 考えながら回りを見る。

 えっと……、少しだけ道を外れたら林があるな。

 彼処で結界張って様子を見るかな?


「カイトあの林で、少しだけ様子を見ようか?」

「そうなの?」

「まあ、ほら宿で出しても良いが……」


 暴れられても困るし、それに従魔も泊まって良い宿なんてあるわけ無いしな。


「ならその方が良くない?鞄の中で、未だ寝てるかも知れないし。どうせ兄ちゃんの事だから、宿でも空間……(だっけ?)は、作るんでしょ?」


 良くお分かりで………。


 完璧に俺の行動が読めるのね?君は。

 ………10才児恐るべし!


「分かったよ、なら、カイトの言う通りにしょうか」

「うん」


 にっこりと笑ってカイトが返事をする。


 なんだか俺って、カイトに甘過ぎないかな?


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