第4話 束の間の再会 1

 そして、ジュリが着いた場所は……。


「ってて…なんだよあの神さんはよ!ん?武装してんじゃん俺。なに?剣まで腰にあんぞ?」


 突然訳の分からない場所に飛ばされたジュリだが、思考が追い付かない状態でも警戒する事は忘れていないジュリだ。

 そして、今立つ場所をキョロキョロして回りを見回したら……。


「なにあれ…?人が襲われてるじゃん?」


 あ!さっき神さんが、大変だとか言ってたあれか?!


 何で俺が、見ず知らずの奴を助けないとならねぇの?

 訳分からん…。

 が……良くみると、魔物と対峙して苦戦中ね。

 魔物はキングオーガにオークか…。

 だが、魔物は30は居るのか?


 お!あいつ背のやたら高い、俺とそうタッパは変わらないのか?

 あの餓鬼…剣筋は悪くは無いが、もっと魔物を引き付けないとなぁ~?あれは甘いな?


 けどパーティー組んでるじゃんか?

 これは俺要らねぇだろ?


 だけど………なにあれ?

 全く三人の連携が取れてねぇじゃんか…。

 あれで、パーティーなの?

 あれは無理ゲーだろ!三人とも死ぬな。


 んな無謀な奴ら、勝手に怪我でも何でもしてくれよ俺は知らんて……ってことで帰る!

 すると、連携が崩れたのが餓鬼達の叫び声が森に響いた。


「うわぁ~!」

「ば、バカなにやってんだ!ちゃんとしろよ!」

「先走ってく、お前が悪いだろ!」

「んだと!ちゃんと俺の指示に従えよ!」

「年下の癖に生意気なんだよ!くそ!カイト!」


 ん?カイト?ああさっきの……ふぅ~ん。

 あいつか、あの背の高い餓鬼…。

 どれどれ、見学くぅ~!


 帰るつもりだったジュリだが、なんか面白ろそうなので、見学することにした。

 ……なんと言う性格なのだろうか?

 否、正確がねじ曲がって仕舞ったようだ。


 実は、ジュリがこんなに呑気なのはグランバネルが言った通り、自分の記憶を改竄したからだった。


 しかも、カイトと出会ったあの日からジュリが今の山に籠る前までの、カイトとの日々の記憶を全て消したのだった。


 町で世話に為った、人達含めて全て消去ったのだった。


 覚えてるのは捨てた父と母に神達、レツとレオの事だけだ。


 だが……そんな説明をしてる場合ではない!

 カイトが危ない。


 だがジュリは、楽しそうに見学中。


「あ、そんなに前に出たら!それに言い争ってる場合か?なんか…あいつら弱くねぇか?」


 良く見ると、カイトという餓鬼以外は全く機能してえねな?

 なんだ、あのアンバランスな、パーティーは?

 魔法使いに剣士に?タンクか……無理ゲーだな。

 

「あ~魔法使が遣られたか?タンクも、そろそろヤバイな?残るはあの、カイトって餓鬼だが……。あれは無理だな。パーティー壊滅まっしぐらだ。仕方ねえ、死なれでもしたら後味悪いしな?見ちゃったしな」


 ジュリは、魔物と戦うオンボロパーティーの剣士が苦戦している場所まで駆け寄り、魔物と剣士の間に割って入ると、キングオーガを足で蹴り飛ばすと、素早くオーガに近づき首を跳ねた。


 そして「結界!」で、残りの魔物達を囲むと、その結界の中に「インフェルノ」をぶちかまして魔物を一瞬で一層したのだった。


 魔物を全滅させた一人の男に、助けられた冒険者達は一体何が起きたのか、訳が分からずに唖然とするのだった。



 「あ、あれは……」



 当然現れた男が大技をぶちかました。

 そして、その後ろ姿はカイトだけが見覚えがあった。

 だが、果たしてそれが探して居た人物なのか?

 顔を見て、ちゃんと確かめないと分からなかった。


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