第11話 取敢えず部屋には入れたな。
フェルトさんに、言われてギルド職員達の住む寮に足を向けた。
「未だ半年しか経ってないけど、ここは懐かしいな……」
ぼそりと呟くと、半年前まで世話になってた部屋の前に立つ。
部屋の前に付いたが……鍵預かるの忘れた。
仕方ない中に居るカイトに、開けて貰うか?
でもあいつ開けるかな?
迷ってても仕方ない、取敢えずノックするか?
「トントン」乾いた音が扉が廊下に響く。
「カイト?中に居るだろ?兄ちゃん鍵忘れたんだ。入れてくれねぇ?カイト……」
「…………」
これは未だへそを曲げてるのか……厄介……。
「わかった、また来るよ。じゃあな」
そして、扉から離れて廊下を歩く。
すると、後ろから扉が開く音がすると腰にどんと重たい鈍痛……。
タックルするな……こ、腰ヤバイから!
「う……っ!お前……カイトか……」
頼む…後ろからタックルなんてしてくるな!
腰やったら危ないんだぞ!
男は腰が命んだぞ!と心で文句を言う。
「何だよ兄ちゃん!」
「な、何が」
「何で、何処かに行っちゃうんだよ!」
はぁ?我が儘言うのも大概にしてくれ。
何処に行く?お前が口を開かないし逃げ出したのはお前だろ?全部俺の所為にするなよ?
とは思うが……我慢だ!
「カ、カイト取敢えず部屋に入るぞ!ここ俺らだけじゃないからな?」
「……」
取敢えず後ろから抱き付かれてるから、そのままカイトを引きずり、部屋に入りドアを閉めた。
「カイト、取敢えず離せ。そこに座れ、これじゃ話せないだろ?」
「……」
カイトは黙って俺から離れる。
全く何がしたいのか……。
話しに為るかな?
流石10才児、大人が折れると思ってる。
さて、どうしょうかな?
「はい、離してくれてありがとう?」
「何だよそれは……」
「まあ、なんとなくかな?で!マイクに、なに言われた?喧嘩になったそうじゃないかよ」
「別に……あいつがしつこいから」
「それで?」
「殴って来ようとしたから、避けたら勝手にコケたんだ。そしたら、カイトの癖に生意気だとか言ってきた」
「で?」
「叫びなから殴り掛かって来たから、応戦しただけだ」
………まぁ、概ね聞いた通りかな。
「わかった。カイト我慢……偉かったな?」
「……………っ、何で僕は……くっ……」
カイトなりに傷付いてるのは分かる。
しかし…ここで言葉を間違えると拗れる。
気を付けないと、ただ意地を張ってるだけだろうしな。
イラついて反抗したから、折れる事も出来ないのだろう……多分。
悔しそうな顔をしてカイトが涙を流す。
でも声出して泣かないんだよね。
昔みたいに、ギャン泣きしてくれた方が未だ良いんだどなぁ。
「カイト、腹減らんか?食ってないんだろ?水は?それとレツも、レオも寂しがってるぞ」
「………」
「なら、レツ達が腹すかせてるから、だすぞ?」
「うん………」
そして、鞄からレツ達を出す。
すると、カイトを見た二匹がカイトに突進していった。
「なっ何だよレツ、レオ!うわっ!」
「にゃん……にゃぁー」
「にゃーん」
二匹の猫科に襲われるカイト!
フフフ楽しいだろ?暫く遊んでろよ。
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