第3話 虫……退治

 二人で歩いてたら魔物が出た! 


 なんちゃって。


 ふざけている場合ではないな。

 あはは……


「カイト気を付けろよ、毒持ちの魔物だぞ!」

「わかった!けど、これ…なに? でかくてキモイ」

「ハエの魔物だ、油断するなよ。カイトお前右側なっ!」


 カイトに指示を出して俺はハエの魔物目掛けて切り込んで行く。


「兄ちゃんは?」


「俺はぁ~こっちだぁ~~!はぁ!」


 カイトの質問に、俺は魔物に突っ込んで行きながら答える。出て来た魔物はバエドクバエといって、ハエのばかでかい魔物だ。

 この魔物は集団で出てくるのだ。

 攻撃力はそう強く無いが、注意をしないと毒の攻撃を受ける。小物類ではあるのだが、これが中々……毒がなんとも厄介だ。


「はぁ!」

「とぉ!てゃー!は!」


 ハエの攻撃を交わして、剣でハエの体を真っ二つにしていくが……数多いな!


「カイト、こっちこい!」

「わかった!」


 カイトが俺の側まで走ってくる。


「よし!ならエアソード!ついでに、ロックキャノン!」


 残りのハエを風魔法で切り裂き、土魔法でハエの体を貫いて全滅させた。


「ふぅ~終了!カイト平気かぁ?」

「うん、大丈夫。でもあれは……、少しやり過ぎじゃないのかな。……兄ちゃん」


 やり過ぎだとカイトに言われて、魔物の死骸をみる。ハエの死骸は穴だらけや、切り刻まれ原型が確認できない死骸が殆んどだった。

 俺はそれを見て、内心不味いとは思ったがそれをごまかす。


「別にいいじゃん!襲ってきたのは、小物の魔物だから要らないよ?害獣なんだしな。魔石も砕けてるし素材の羽もボロボロだしな」


 自分でやったが勿体事をしたかな?

 でも俺はあんな虫の素材など要らんし。


「それで、あれ!どうするのさ?」


 ん?あれ………おお!死骸ね。


「あれなぁ……羽と魔石もボロボロだし、穴にポイだ。で、焼き尽くす!」

「ふぅ~んじゃ練習していい?」

「なにを?」

「土魔法で、穴掘れるかをだよ」

「いいぞ?穴深く掘れたら、ご褒美やるよ」

「え!本当か?」

「おお!何が良いか考えておけよ? 但し食いもん限定な!」

「やった!ならいくよ、クリエイトホール!」


 ドドトーン!地響きと共にデカイ音がして、地面に深い穴が開くが……これ…深すぎない?


「やった!出来ジュリ兄ちゃん出来た!」


 喜ぶカイトだ!中々やりますな?子供の成長は早いですな……うん感慨深いです。

(爺臭っ!)ん誰よ?


「おお、できたな…すげぇ~!カイト頑張ったねぇ~俺の弟は凄い!」

「フフフ!でしょ。ご褒美……なににするかな?」

「カイトそれはあとでたぞ!」

「ええ、なんでぇ~!」

「穴掘って終わりじゃ無いからだよ!」


 穴、穴と出来立ての穴を指さす。


「あ、居れるの?触りたくない!虫嫌い!」

「俺だって嫌だよ!だからな?風魔法で……」


 倒した魔物の死骸を風で集めて、穴に落として最後に火で燃やして。ある程度燃やしてから火を消し、その上から土を被せて埋め固めた!


「ふぅ終了!」


 そしてまた魔物を探して歩き出した。

 あっ、褒美をやってないな。

 まあ良いっか。

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