第10話 小綺麗に

「えっと、君どうする?」

「?」


 こてんと首を横にするだけで、何も言わない。

 何がって顔するなよ………。

 あ!分かるわけないのか?

 そうだよなぁ~、無理やり袋に詰め込まれて馬車に乗せられて、そこから落ちたら知らない場所だ……。

 分かるわけないか……これは俺の配慮がなかったか。

 しっかしこの子、村には帰りたくないみたいだし……ほかの場所が良いよなぁ~それなら。

 この子を買った、奴隷商人が行くのはここから一番近い町だろう。多分だけど……。

 それなら、そこには行けないか?なら、もう少し遠い町の施設にでも預けるか?

 一応拾った責任は有るしな……。

 なら、一応本人確認してからだね?


「ねえ?君?」

「ん?」

「このまま、ここに居るのは嫌だろ?」

「………怖いから嫌だ」

「だろ?なら俺と一緒に町まで行くか?」

「まち?」

「そう、町だ!人が大勢居るの場所だ」

「…………」

「どうする?俺はそこに行くんだけど……?」

「なら………行く。お兄……ちゃんと」

「そうか?ならいくか?」

「…………うん」


よし!意志確認はしたぞ!

それなら先ずは、服と髪だな!


「なら、服着替えようか?」

「………うん」


 ネットから子供服を数点だす。

 この世界には、余り派手な物はないから地味目の服にする。

 茶と黒だったら、おかしくないかな?あ、青もいいか?

 未だ寒い日もあるから……長袖かな?

 外套は黒かな?靴は……目立たないように……黒のスニーカーかな?

 取り敢えず、サイズが分からないから適当に出して会うものを着させてと……。


「ほら、腕上げて?ばんざーい(よし奴隷紋刻まれて無いね!)」


 服を脱がせて、奴隷紋が刻まれて無いか確認して無いのが分かって少し安心する。

 Tシャツ着せて、あ!パンツもだ!ズボンを履かせてシャツ着させて、靴下と靴を履かせて終了!

 後は髪だね……?

 子供は自分の姿に、目を白黒させてるが………取り敢えず大人しくしてるから放っておく。


「次は……髪だけど……君、髪切ってもいいかな?」

「髪?」

「そう、君のその伸びた髪!これだ」


 子供の髪を一房摘まんで、これを切っても良いかと聞く。


「うん………」

「そう?なら、ここに座ってくれよ?」


 椅子を用意して、ここにと言って俺の前に子供を座らせると魔法で髪を切る。


「えっと……イメージしてショートカットにして……散髪!」


 おお!適当に言ったら切れたよ!しかも良い感じだ!目が隠れてて見えなかったけど……綺麗な瞳だねぇ~?顔立ちも良いから大人に成ったらイケメンだ!


「よし!できたよ?鏡で、自分見てみるかい?ほら」

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