第27話 プレゼント……って?

 カイトが留守番する家に、急いで帰りカイトにこの町から出ていく事を告げる。


「ええ、またなの?今度はなんで?」

「お前今度は、とか言うなよ。初めてだろ、こんなパターンはさ!」

「パターン?なにそれ?始めて聞くけど!」

「お前何処に怒ってんの?まぁ、それは良いからさ、この町から出てくぞ!」

「むぅ……そう。なら支度するよ」

「おう、悪いな。着る者は、このリュックに入れて背負うと楽だぞ」

「え?こんなに小さいのに?入んないでしょ?」

「ばが、俺が作ったリュックだぞ……」


 カイトにそう言うとニッと笑う。


「ああ、そうか一杯入るの?」

「まあ~、ある程度だな。だが、間違ってもレツ達は入れるなよ?」

「……分かった!なら支度してくる」

「おう、俺はここを片付けるからな。それからレツ達は鞄に入れずに連れてこいよ?今時にいんの?」

「えっと…僕の部屋で寝てる」

「そう、なら起こして連れて来いよ」

「うん」


 返事をすると。カイトは2階に駆け上がって行ったな。

 良かった鞄程度で誤魔化せて。


「さて、俺はここの片付けだが……このまま家を仕舞えないかな?」


 カイトが戻って来てから外に出て、試すのもありかな?


「よし!試してみるか」


 するとカイトが、どたどたと走って戻って来る。


「兄ちゃん仕舞えた!けど……ここは?片付けないの?」

「それな、一旦外に出てこの家仕舞えるが確かめる」

「……ウソ?そんな事が、できるの?」

「分からん、試したことは無いからな」

「なら、試そうよ!僕この家気に入ってるんだ!」

「そ、そうか?なら外に出るぞ!」


 カイトと二人で外に出る。

 そして、頭の中で目の前の家をアイテムボックスの中に仕舞うイメージをすると、…スッ!と目の前の家が消えた……。


「おお、仕舞えたそぜぇ……。どんだけ容量があるんだ?てか訓練所は…仕舞えんのか?」


 訓練所に目を向けて収納と呟けば……訓練所も消えた……ハハハすげぇ……。


「兄ちゃん、す、すげぇ~。無くなっちゃったね?」

「ハハハそうだな無くなったな?」

「なら、ここ出てくの?」

「まあそうなるな。その前に、畑の野菜と木をなんとか……。面倒だ、全部収納だ!」


 すると、庭木も花壇の草花も前部収納出来たぜ。………凄げぇだろぉ~。


「兄ちゃん……アホだな?」

「うん、自覚はある」 


 収納した本人が一番驚いたぜぇ~。

 土、以外は収納OKなんだね?知らなかった。

 後は塀を元の土に返してと……。


「わぁ~、囲いの壁がなくたった!」

「だろ?これで元のボロ屋に元通りだ!と言うかなんもないがな。さて、カイト空を飛ぶのは嫌なんだろ?」

「う、うん、出来れば……でも歩くのは嫌だ!」

「全く……我儘…。そこでカイト君にご提案です!」

「な、なに?嫌な予感がする」

「フフフ、驚け!」


 と言って出したのは車です!

 それも神さんプレゼントのキャンピングカーです。

 ズッドーーンとお大きな音を上げて出てきたキャンピングカー。

 でかいな……。


「に、兄ちゃんこれ、魔物?」

「違う!これは、車だ!中に乗って動かすの!馬車の馬が居ないバージョン!」

「馬が要らないの?」

「そう、馬がなくても動くぞ!」

「マジ?」

「マジだ!試しに、中に入ってみろよ!中にベッドもあるぜ。それと、レツ達を出して少しは遊べる筈だしな?」

「うそ、本当に?」

「本当にだ。ほら、中を見てみろよ!」


 ほらと、言って車の扉荷台の方の扉を開けて、カイトとレツ達を、抱き上げて自分も中に入る。


「うわぁぁぁーーすごい!なにこれ!」

「お、おう、凄いな?」


 なんか豪華過ぎだが……なにこれ?

 グランバネル神頑張った?

 すると、目の端にあるメールボックスが光って点滅してる?なに?

 メールを読むと……。


 日頃の行いに感謝を……。これは?嫌な予感。


【貴方を加護する神達からの贈り物です。

それと、アイテムボックスの空間が更に拡張されました……。パチパチパチ!

就きましては………また、私を助けて……。

私ボックスに進物をよろしく♡】


 うん……分かったよ……分かりました。

 後で入れときます。

 ったく、がめついのか…違うのか分からない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る