第3話 やっぱり遠慮するよ
馬車に乗せられて20分程走っただろうか?どうやらハングの屋敷に着いた様だ。
そして、屋敷の外観を見て驚いた。
俺が飛び出た屋敷とそう変わらない大きさだった!
さすが商人だよなぁ……。
ここに来る途中でハングの店も、通りすがりに見せられたが、大きな店構えだった。
そしてこの屋敷だ……手広くやってんのね?と感心する。
なら手持ちの魔物の素材を売っても良いかな? でも……やはりギルドを通すかな?
色々と悩み考えていると、どうやら屋敷の門をくぐった様で馬車が停まった。
ハンクが馬車から降り、俺達もハングに続いて馬車から降りる。
「さぁ!ジュリにカイト、ここが我が家だ!入ってくれ」
「凄い!兄ちゃん凄いね?お屋敷だ」
「こら……カイト!騒ぐなよ?失礼だぞ」
「ごめんなさい。兄ちゃん……」
はしゃぐカイトに大人しくしろと嗜めると、シュンとしてカイトが黙る。
「ハハハ!ジュリ坊、そんなにカイトを叱るなよ?たいした家ではないから、気楽にしてくれよ?さぁ屋敷の中に入ってくれ!俺の家族に紹介をするから」
「………か、家族?ハングのおっさん!家族居るなら俺らは遠慮するよ……俺の方も子供居るし」
「まぁそう言うなよ、畏まる家ではないからよ!貴族じゃないから気楽にしてくれ」
エントランスの前で、ハング一家の話が出たので顔を合わせる前に、暇させて貰おうと最後の悪足掻きをしたが……、どうやら足掻き存だったようで……。突然エントランスの扉が開いた。
「「「お父様お帰りなさい!」」」
「まぁ、貴方お帰りなさい。無事に戻ってくれて良かったわ」
「あぁ帰ったぞ!リターナに子供達!お前達も元気そうだ」
「ええ、貴方、此方はなにも問題は無かったわ!さっ!中に入って…………あ、あら?貴方お客様なの?」
お客様と、言われて俺とカイトをじっと見てる……。
ハングの奥さん………華麗な人だね……って違よ!ん~疑いの目というか…何で居る?の目線だ。この目線には……耐えられません。おっさん俺らの事忘れてたよな。
「あっ…ええっと……俺ら別に……か、カイト帰ろう!」
「え?あ……うん」
カイトの手を握って門に向かって歩き出す。
「お、おい!待てよジュリ坊!すまん驚かせたか?今家族に紹介するから待て!」
「………い、嫌、遠慮するよ?ハングさん。俺らやっぱり適当に何処かに泊まるからさ、わざわざ声を掛けて貰ってありがとう」
じゃまたと、手を上げて屋敷のエントランスから離れて行こうとした。
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