第6章
第1話 拗らせて。
カイトを預けて世話に為った町から出ると、ジュリはすぐ空に飛び上がった。
「さて……何処に行くかな?」
この際だから、何処かの山に籠って一人で暮らすか?
その方が、レツやレオも延び延びと暮らせるかな?
なんなら……動物村でも作るか?ハハハ!
「………馬鹿らしい!」
でもまあ、その方が人と接触しなくてすむしなぁ~。
気楽で良いか?
もう人は懲り懲りだ…大人も子供もな!
と完全に、人嫌いを拗らせて仕舞ったジュリである。
偶に人里に下りて、魔物でも売れば気晴らしに為るしな!
よし決めた!何処の領地でも何でも良いから人が来ない山を探して、仙人暮らしをしようではないか!
何とも自虐的な発想で、山籠りすることを決めたジュリである。
見守る神達もそれは不味いのでは?
と考えるが……先の子供の一件で、心傷のジュリには何も言えないと決め、神達は見守る事にするのだった。
「フフフ、後でおねだりをして様子を見ましょうか」
と笑うグランバネルであった。
そんなこ事を、全く知らないジュリは気ままにフワフワと飛び、マップを見ながら環境の良さそうな山を物色する。
「ん~ないねぇ~、良さげな山がさっ!」
魔物は居ても狩っちゃえば何とか為るしな。
でも川沿いは避けたい!天候で、左右されるし川の増水や崖崩れは怖いからな。
いつ死んでもいいけど、悲惨な死に方はもうごめんだからな。
できれば、高い場所で湖の近くが良いかな?
眺めの言い場所でさっ!
とやっぱりマップを見ながら空をうろうろとする。
ふむ……ないかなぁ………。
すると、とある国のとある山に良い感じの山の中に湖があるじゃんか!
見付けた!と思いその湖の湖畔に下り立つジュリである。
「おお……中々良い場所だな、ならここで暫く暮らすかな?」
そう呟くとジュリは、周りを見回して伐採した方が良さげな場所の木を切り、家を出す場所を切り開いた。
そして、カイトと暮らす筈だった家を一端出すとその家を壊した。
それからまた一から家を造り直して、目立たないようにログハウスを造り上げた。
もちろん家の中も全て作り直しだ。
家の中は、ベッドルームにキッチンカウンターとリビングだけで、一人で暮らすには十分な広さに為った。
これならレツとレオも、狭くは無いだろうと勝手に思う。
そして、出来上がった家に入るとレツとレオを鞄から出し二匹から、速攻飯をねだられのは言う迄もない!
「レオ!レツ!顔を舐めるなよ、お前らの舌はザラザラしてて痛いんだから……少し待て直ぐにご飯やるから……」
「「にゃーん」にやー」
「やめろ痛いから!」
レツ達を何とか、大人しくさせてから餌を与えると二匹は落ち着いたのか、ソファーの上に上がり直ぐ様寝息をたて始めた。
「お前らの寝場所では、無いんだがなぁ~そこは!仕方ない、レツ達の寝床を出しておくか。んで俺も飯食って風呂入って、寝るかな?今日は疲れた」
カイトと別れた町を出てから、殆んど寝ずに一夜を空で明かし。
この場所を探し当てたのは、ほぼ半日以上経った頃だ。
家を建てる土地を切り開き、家を建てた。
家の中に入った時には、時刻は既に夜の6時を回っていた。
もう日は、とっくに沈み辺りは暗く夜るだった。
眠るのには少し早いが…、精神的に疲れたジュリは体を綺麗にして落ち着くと、直ぐにベッドで寝息を経て深い眠りに着いたのだった。
次の日、朝日が昇る頃にレツ達が起き出しジュリが眠る部屋の扉の向こうで騒ぎだす。
そのレツ達の鳴き声でジュリは起きたのだった。
非情に煩い!
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