第10話 話は付いていなかったらしい。

 無人島をプレゼントと、いって少し説明を聞けばまったく住むのに適してない島をプレゼントと言ってくる始末。

 何だろうかこのポンコツっぷりは?


「あの島は、人間が暮らしていないので無人島ですね。ニコリ!」


 そりゃそうだろがよ!だから無人島なんだろう? 

 それを言われたら、誰でも分かるわ!自慢げにニッコリ笑うなよ。

 だがな!先ず先に、その島に住む眷属…ドラゴンと達とはちゃんと話しが付いてるのかよ!


「そうでしたね?でしたら、暫く待って下さいね?この後あの子達と話してきますから。ニコリ」

「大丈夫なのかよ?それで……(また思考を読みやがって!)」


 まあ、直ぐに行けとか言われなくて済んだけどさっ!

 ってか行きたくない!ここでいい気が120%だ!

 その島とやらに俺らが行ったら絶対トラブルに為るじゃんよ!


「そう言わずに、樹里さん!楽しみにしてて下さい!では、私はこれで失礼しますが……。そのお酒、後で私にも別けて下さいさいね?では……フフフ♡」


 といってスッと目の前から消えた神さん…。

 胡散臭いことこの上ない。


 もう来るな!


 そして神さんか消えた翌日、何事もなかったかのように普通にカイト達と暮らし始めた。

 兎に角ベルゼスに、人間としての最低限の常識を教える為に今はカイトと悪戦苦闘中だ。


 これは長期戦になると思うぞ?


「樹里殿……こ、これを我が覚えるのか?」


 ベルゼスがトイレを指さしてふるふるしてる。(笑)


「まあ、そうだね……獣のマーキングじゃ無いからさっ!トイレはここにしてくれ」

「むぅ………」

「人形でトイレした方が楽だろ?良く分からんが……」


 まあ、ここは森に囲まれてるからどこでしてきても良いけど……。流石に、マーキングされると困るのか?


 眷属だろうと何だろうと、食えば出るものは出るからな。


 それとは別に、歩く事走る事が未だ不安定だからな、カイトと三人で山を歩くのと走るを交互にして慣らしてやる感じかな。


 それと、俺達の回りにレツとレオがうろちょろしてるんだよなぁ。

 こいつらも、俺と話すのは楽しいらしく良く話してくる。

 ウザいぞ?話せるのは良いけどな。

 いっそカイトとも話せる様にして貰いたいものだ。

 俺が通訳してるから本当に面倒なんだよ。

 ほら、また始まったよ。


(ねぇねえ、主?)

「なんだレツ」

(僕は腹がへった)

(俺もへった)

「腹がへったのか?」

((うん!))

「そうか……ならそろそろ昼飯にするか?」

((やった!))


「兄ちゃん……レツ達腹がへってたの?」

「だな、いま催促された」


 と、こんな風だ。


 それでも、ベルゼスとはカイトも話せるからこれは楽だがな。

 ただし、人形の時限定らしいが……,。


 まっ、でもこんな暮らしも楽だよな。

 何より話せる奴らが増えたしな。


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