第12話 カイトの願い。

 カイトがサーベルタイガーの子供を拾って世話を始めた。

 だが……全くカイトに懐く事はなく、カイトは落ち込む。


「カイト!」

「なに?兄ちゃん」

「それ、懐かないだろ?」

「うん………、全然懐かないよ僕落ち込むなぁ。こんなにお世話してるのにさっ!」


 サーベルタイガーの子供を拾った場所から、少し離れた場所に、テントを張って丸2日が過ぎた。

 カイトが甲斐甲斐しく子猫の世話をする、が一向に懐く気配がない。

 カイトが近寄ると、威嚇するのだ。


「ヴゥーーー!シャー」


 と、こんな感じで威嚇をされてる……気の毒に。

 

 俺は一切手を出さない。


 カイトが拾った猫だからな。俺にはテイムの魔法は使えるが……。今は、放っておく。


「兄ちゃん……」

「なんだ?」

「この子やっぱり無理なのかな……」

「ま、野生だし魔物だしな。そいつを、そろそろどうするか決めろよ?明日には、ここから移動するぞ」

「ええ!もう?あの子未だ僕に慣れてないよ?」

「難しいなら……離してやれば?」


 そう、その方が自然だよ可愛そうだがな……。


「そんなぁ……兄ちゃん。お願い」

「な、なに?」

「もう、僕に懐かないのは仕方ない。でもこの子を、ここに置いて行くのは…無理!絶対に無理!だからお願いします。この子を僕達と一緒に、連れて行っても良いですか?お願い」


 といって、土下座する。

 おい、カイト………。土下座何処で覚えた?


「世話はするのか?」

「うん」

「お前に懐かなくても?」

「う……いつかは懐いてくれるかも、しれないから頑張る」

「そうか…?だがなカイト。どの町に行くにもテイムしてないと、魔獣は入れないんだよ」

「え!そうなの?」

「そう。だからな、俺がそのこの子テイムするが良いのか?」

「ここに置いていくよりは、良いよ……」

「そうか……分かった。なら連れて行くか」


 それだけ言うと俺はサーベルタイガーの側に行く。

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