第29話 馬車が嫌いな理由が分かった。てか、今かよ!

 それから……。

 キャンピングカーを運転してノロノロと走る。

 が、30㎞位は走ってるけどガソリンが減らない。

 て、事は電気?

 あ!魔石かな?よく分からん。

 何か考えたら負けな気がする。


 カイトは助手席で、ワクワクしっぱなしだ!

 でも、馬車だとこんなに騒がなかったよな?

 何でだ?


「カイト、気持ち悪くないの?」

「え?なに、兄ちゃん」

「気持ち悪くないのかってんだよ!」


 運転しながらカイトの頭を揺らす。


「痛い!痛いからやめろぉ~!」

「ハハハ、で?何で平気なんだ?」

「分かんないよ!でも、これは揺れないね?馬車って、ガタガタするでしょ?それに臭いも、しないからかな?」

「まあ、そうだなぁ~尻も痛いしな」

「うん、お尻痛いし座ってられないし。臭い!だから嫌なんだ」


 ………ん?何だと。


「ちょっと待て?カイト。お前、馬車嫌いなのって揺れる、けつが痛いを除いても…。馬が臭うってなんだ?」

「ええ……臭いじゃん!馬ってさ。なぁレツ、レオ?」

「「……」」


 いつの間にかカイトの膝にレツ達が乗って寝てる……。

 君ら器用だな。


「…だから嫌だったんだな?」


 そ言えば、気持ち悪いって言って酔ってたけど、揺れプラス臭いもあったのか。


「早く言えよ、そう言う事は」

「良いじゃんもう。この乗り物があれば僕、気持ち悪くないもん!」

「もん!じゃねぇ。が……仕方ないな?馬車も買わずにすんでるし、馬も世話が大変だしな?」

「僕、馬嫌いだもん」

「わかった、さて?カイト腹減らないか?」

「………へった!ね?レツ、レオ!お腹すいたよね?」

「「……にっ」にゃん」

「なら、車止めて飯にするか?」

「うん!」


 じゃあ、少し道から外れてと…てか、道なんて無いがな。


 車を止めて食事の支度だな。

 外てコンロ出して、串焼きにでもするかな?


「兄ちゃん、ごはんなににする?」

「ん~火を起こして串焼きだ」

「お肉?」

「串焼きだから、野菜と肉だな」

「やった!肉、肉、肉くぅ!」

「あ~分かった、分かったから!支度手伝えよ。それと、レツ達にも飯にやってな?」

「うん!にく、にく、にく!肉なのだぁ~!」


 …………カイトが壊れた?

 そんなに肉を食べたかったのか?

 まるで俺が、何も食べさせてないみたいじゃないか。

 傷つくわぁ~!


「カイト煩い!」

「へへへ、ごめん。でも、楽しみに何だもん!」

「ハイハイ。なら直ぐに飯にしょうな?」

「うん!」



 ここは草原のど真ん中!

 車の回りに結界と、認識阻害を掛けてカイトと美味しい食事をしたのだった。



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