第12話 フフフ、怒らせてしまいましたね。
魔法ねぇ…ま、カイトにも使えるもんをくれるならそれでも良いがな?
ってことで神さんには早々にご退場頂こう!
「神さん、用はすんだかな?」
「えっ?」
「聞こえませんでしたかね?用はお済みですかね?ベルゼスとも、話しは終わりましたかね?なんなら、ベルゼスも引き取ってお帰り頂いても良いのですがね!」
「そ、そんな!樹里殿も我を不要だと?」
「なんて酷い人なのでしょうか!樹里さん貴方は!私可愛い眷属のベル君を」
「何が可愛いベル君だ!300年も放っておいた癖に!調子が良過ぎだろ?」
「そ、それは今は……」
「関係なくないだろ?それに邪魔なんて言ってねぇが?なに勘違いしてる?俺は神さんには帰れと言ってるだけだ!俺は明日の朝も早いんだよ、カイトと訓練に狩りをすんだよ!だから寝たいんだよ!あんたが来ると長く為るから嫌なんだよ」
あ~なんかこの神さん来ると俺はずっと腹を立ててるし!
ソロソロ怒るのも疲れるのだがな?
「そ、それは貴方の気が短いからで!私が原因では無いです!ムン!」
また考えを読んだな!勘弁してくれ!
「なに偉そうに……はぁ~どうでもいいわ!さっさと帰れ俺は寝る。ベルゼス寝るならこい!話してるなら知らん。じゃあな!」
それだけ言って、俺は部屋に引っ込んで自分にクリーンを掛けて着替えてベッドに入った。
****☆
一方樹里怒らせた神さん事グランバネルは?
ベルゼスと顔を見合わせて呆気にとられていた。
「あぁ、また私は樹里さんを怒らせてしまいましたね……フフフ」
ちっとも悪びれもせず、笑ってそんなことを言う神グランバネルである。
「あ、あの?グランバネル様はいつも、あの様に樹里殿の神経を逆撫でておられると?」
「アハハ!ばれてましたか?」
「はぁ~端から見れば、一目瞭然だと思われますが?あれでは、樹里殿が切れてしまうのも仕方ないのでは?」
「アハハ、そうですねぇ……。彼は短気過ぎますからね。フフフ」
「し、しかし樹里殿も眷属なのでは?」
「そうです!私の可愛い眷属に成って貰いましたよ?」
「分かりました!グランバネル様は、樹里殿と遊んで居られるわけですな?」
「遊び………まぁそうてすかね。フフフ、さて私はこれで失礼しましょう。あっ!それとベルゼス、貴方にもお詫びとして良いものを授けましょう。貴方は魔法は使えませんでしたが、私が魔法を使える様にしました。これからは、樹里さんのお役に立てるように、頑張って下さいね?では私はこれで…またきますね。フフフ」
それだけ言ってスッ~とベルゼスの前から消えて行った。
「………我が魔法を?それは良いのぉ~明日から樹里殿に教わろう。さて、我も寝るかの…」
ベルゼスが白い豹の姿に戻ると樹里が眠る寝室に入り自分の寝床に潜るのだった。
寝床に入り樹里を伺えば……そこで樹里と目が合った!
「《ひっ!じ、樹里殿起きてたのか?》」
「おう、奴…帰ったか?」
「《いまさっき戻られたぞ?》」
「そうか、良かった。お前……クリーン。さっ寝ろよ」
「《お休み……樹里殿》」
「………」
ベルゼスはほっとして眠るのだった。
(こ、怖かった…私は豹なのに……、目線が……)
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