第18回 あそこの毛の処理
僕は今悩んでいることがあります。
そう、鼻毛の処理です。
そう、とか言われても困ると思いますが、少々お付き合いください。
発端は引っ越しでした。業者に荷物をまとめてもらい、さぁ引っ越すぞとなった時に言われたのです。「すみません、規定でこの薬箱は運べませんので、保管の方に回しますね」と。その引っ越し屋さんは倉庫サービスもしており、物が多すぎて運搬できない人や、持っていく必要のないものを保管してくれるのです。
しかし、困った。その薬箱の中に鼻毛カッターが入っていたからです。その荷物だけを取り出すのも面倒なので、また引っ越すときに取り出そうと考えていますが、まだ2~3年先の話。
今は専用のピンセットで抜いています。しかし、意外と痛く、無条件に涙が出るんですよね。高くないものなので、もう一つ買ってもいいのですが、将来手元に2つあってもなぁ……。と二の足を踏んでいます。
それに、友達になんで2個あるのって聞かれたらなんて答えればいいのでしょう? 経緯を説明するのも面倒ですし、「こっちは右の鼻用、こっちは左の鼻用」とか「気分によって使い分けてる」と言ったらいいのでしょうか? その後から「トリマー」ってあだ名がつきそうです。
もちろん処理はマナーですが、特に気にするようになったきっかけがあります。あれは大学生の時でした。男女5人くらいで動物園に行くバスの中、1人の女の子が僕の肩を笑顔で叩いて、耳打ちしようとしてきました。「えっ、何?」と予想外の行動にドキドキしながら胸を躍らせていたところです。
「鼻毛出てるよ」
驚きと恥ずかしさで、あーっと声に出たので、当然みんなどうしたの? となります。しょうがないので「鼻毛出てるらしい」と手で覆いながら答えましたが、爆笑でした。
バスを降りた後、トイレに駆け込んで処理しました。人生で一番痛い処理でした。
しかし、言ってくれたことに感謝しました。この醜態を晒したまま動物を眺めなくて良かった。「可愛いとか言ってるけどあいつ鼻毛出てるよ」と、動物たちにほくそ笑まれたに違いありません。
女性のみなさん、男性が鼻毛を出していたら言ってください。言い辛いと思いますが、言わないとお互い不幸になります。言えば、その後気にしなくても良いですし、笑いに出来ます。
「僕が払うよ」とかカッコつけた時「鼻毛出てたくせに」と、からかってくれたら最高ですね。
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