第45回 時には肩の力を抜いて文章を書いてみる。すると。
肩の力をぬく。
絶大な効果があるにもかかわらず、意識して実践するのはなんと難しいのでしょうか。
僕はほんの少しだけバスケをかじっていました。身長が低いので、当然のごとく外からのシュートを練習しました。僕にはセンスがありませんでしたが、それでもシュートが入る感覚というのは打った瞬間に分かります。一般的に「ゾーンに入る」と言われる状態であれば、本当にてきとうに打ってもすぱすぱ入ります。その時は適当な力の入り具合になっているのでしょう。
テニスでも一緒ですね。ラリーが続いているときに、欲を我慢しきれないとすぐさまミスに繋がります。我慢のスポーツですね。浅いボールをコースに流すアプローチとか、スマッシュとか、サーブも「これが俺の全力だぁぁぁ!!」とかいう勢いで構えていると十中八九、いや、九分九厘ミスします。練習やアップ時にはあんなに入るのに!
スノーボードのスピン系のグラトリでも、「より高く! I can fly!!」とか調子に乗って全身にぐっと力を入れると、そもそも飛べません。エッジがかかってつぶれるか、すぽんっとエッジが抜けて、ひどいと空を見上げるかたちで「あぁ、とんだぁ。とんじゃったぁ」となって背中から落ちます。
全て肩の力を抜くのが大切なのです。
さて、これは執筆活動でも一緒なのでしょうか。
「これはおもしろいぞ! 渾身のフレーズ!!」と思った所は基本的に他人の心を打ちません。あくまで自分のツボに入っているだけなのでしょう。
よし分かった、じゃあ、肩の力を抜いて思ったままの文章を書いてみるさ! すると、なんということでしょう。見向きもされないではないですか!
どないせぇっちゅうねん!
……思わず心の声が漏れてしまいました。
ともかく、「書く」ことにおいて人の心を打つのは、強く想っていること、そして、上手く表現していること、が最低条件の気がします。そして、力を入れ過ぎないこと。どうしてもそぎ落としが出来なくなってしまいますからね。
個人的に自転車が空転しているのをみると、なぜか肩の力が抜けるんですよね。あの、カラカラカラ……というやつです。古典的なギャグに使われるからでしょうか、あのハブの音が心地いいのでしょうか。
世の中にはからまわっても良いものはありますが、勢いだけはからまわって欲しくないですね。と、オチがからまわりながら締めてみます。
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