第46回 変態は変態を磨き上げる
かつて、英語の授業で「自分一人で生み出したものはあるか?」というお題が出たので、「ありません。僕のすべては誰かの影響によって身につき、表現されているものです」と言ったのですが、話した相手はよくわからないという顔をしていました。
“唯一”を作り出せる創造センスを持った人以外、自分ひとりで創造したものなどあるのでしょうか。凡庸な人間は、常に誰かの影響を受け、自身を磨き上げているのではないかと感じています。
こうありたい、と感化されるとき、それは誰かの影響によることが多いです。誰しも誰かの薫陶を受けて磨かれているはず。たとえそれが変態の薫陶の結果による、変態の誕生だとしても。
さて、人徳や品格は先天的なものでしょうか、後天的なものでしょうか。個人的には、後天性が大きいと信じたいです。なぜなら僕に人徳や品格が無いのは、今迄の環境のせいと言えるからです。
遺伝で人徳や品格が決定されているとすると、自身の血を恨むしかなく、子孫を作ることも憚られます。その点、あらゆる可能性を孕んでいる後天的性質である方が希望がありますね。
可愛いが作れるのであれば、品性を作れてもおかしくないでしょう?!
周りを見渡してみると、一緒にいたいと感じる人達は、僕よりも人徳や品格は高く、人を感化させる何らかの在り方があります。頭おかしいよねと言われて喜ぶ友達のように。(※1)
そうして薫陶を受けた人が他の人の薫陶となるという連鎖によって、人徳は磨かれるのではないでしょうか。僕もあれから頭おかしい、と言われた時は喜ぶようにしています。
逆に言うと、原初状態では人徳や品格などはありません。各人から良いところを抽出し、時間をかけて純化したものが人徳や品格なのです。
そういう意味でセンスを持っていても、人徳や品格は作りだせません。
長い時間をかけて生み出したから、貴重で大切なのだと思います。
うん、長い時間をかけて生み出した変態性は、貴重で大切なはずです……?
何が言いたいか自分でも分からなくなってきました……。
とにかく、後で人徳とか身につけれるんだから、今は阿呆でいいなということかな。
※1 頭おかしいと言われて喜ぶ友達
この友達は間違いなく変態ですが、僕は多くのことを学びました。
そのことが良かったのかどうかは、不問に付しています。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888425664/episodes/1177354054888699156
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