第70回 好きなものはとっておく 


 やーい、お前のペンネーム、おっしりがぞっろぞろー。


 どーも、Askewです。

 先日てきとうに思いついたこじつけが思ったよりしっくりきて気に入っています。最近のマイブームは「お尻アス行列キュー」です。意味が分かりませんね。


 さて、皆さんは好きなものは先に食べる子供でしたか? 残しておく子供でしたか?


 僕は先に一口食べて、最後にまた一口食べるタイプの子供でした。姉弟でしたが、特に食べ物を争うこともなかったので、どちらでもない中途半端な食べ方になりました。


 でも、どちらかというと僕は好きなものは後に取っておくタイプかもしれません。5冊の本があれば、とっつきやすそうなものを最初に読み、一番好みそうな本はとっておきます。最後まで期待は残しておきます。


 コミュニケーションでも一緒ですね。好きな人からラインでも来ようものなら、すぐには返しません。だって、それだけでちょっと頑張れるじゃないですか。朝の仕事が終わって、昼に内容が見れても見ないことが多いかもです。どんなコメントが来てるかなー、と考えるのも楽しいですし、置いておくと我慢した分、旨みが増します。これが「未読無視の向こう側」というやつです。その次も返ってくる保証はありませんからね。しっかり楽しめる時に楽しむという含蓄のある智恵です。


 カクヨムでも、特にお気に入りエッセイで発生します。フォロー作品が更新されていれば、基本すぐに飛びつきます。しかし、たまに「読みたいけれど我慢、我慢……」と自分を真綿で縛り上げます。すると、毎日読む楽しさが継続しますから。今日はこの方のエッセイが面白かった。明日はまだあの方の記事が読める。そんなゆるりとした自虐的な運転で僕の日々は転がるようになりました。


 時間選好率(※1)はかなり高いので、刹那主義万歳、その日暮らしでいいでしょー? という思考回路をしていますが、たまにそうやってリスクを取ります。後に残すと不慮の事故に遭って読めないかもしれない、サーバーエラーでアクセスできないかもしれない。そんなスリルを楽しんでいるのかもしれません。

 

 と、なんか書いてみましたが、エッセイに関しては逃げているだけなのです。だって皆さん面白いんですもん。ネタがかぶろうものなら即座にボツですもん。読めば読むほど二番煎じになってしまいますよ。そんな見果てぬ恐怖とワクワクにぞわぞわしながらそろりと覗かせてもらっています。



 

 しかし、おしりは渡さん。誰にもだ。





コラム

※1 時間選好(率) 

 例えば、目の前にドーナツを置かれた時のうれしさは、1年後にドーナツをあげると言われるよりもずっと大きい。「すぐに」もらえる報酬ほど、その価値を大きく感じ、もらえる時間が遅くなると徐々に価値が減少していくという性質を持っており、これを心理学や経済学では「時間割引」や「時間選好」と呼びます。――(中略)――時間割引との関連が指摘されている、多重債務、肥満などの社会問題は、「本人がだらしない、生活態度が悪い。」と言ってしまっては元も子もありません。原因を解明してそれを予防・治療できるよう、経済学と脳科学からアプローチできればと考え研究を進めています。


「すぐにもらえる小さい報酬か 将来にもらえる大きい報酬か

  —神経経済学で「人間の行動」を読み解く」より引用

 http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/storyz/special_issue/yomitoku/201209_special_issue4


 債務者でも肥満でもありませんが、僕がだらしないことは僕のせいではなく、将来治るかもしれません。

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