第37回 叶えたいこれからの夢 ― 金髪になる
前回、子供のころの夢を叶えるのは難しいことが分かり、半ば諦めてしまっていることを吐露いたしました。
しかし!
希望を捨てていないことも事実です。更に大人は欲張りなのです。長生きして、人生を全うするだけじゃ嫌だと思う自分がいるのです。それに気づいたのは、大学生になる少し前でした。
僕には、愛すべき相手がいました。
小学校のときに知り合い、そして、高校のときに別れました。
僕は面白いことも言えないし、自分のことで精一杯で、気も利かない。
プライドが高いくせに、無駄に卑屈で実力が無い。
後悔を溜め込んで、言い訳ばかり探している。
日々、そんな自己嫌悪にさいなまれています。
それでも、いつも一緒にいてくれました。
苛立っていて、ひどい八つ当たりをしても。
気落ちして、どんなに素っ気なく接しても。
ただ、そこにいてくれたのです。
だからこそ、あの子のように――
寿命は短くても良いから、誰かを安心させたい。
一緒にいて、心地良いと思われる人になりたい。
そこにいるだけで癒してくれたあの子のなんと尊かったものか。
面白いことも言えないし、ちょっと臭いし、ポンコツですが、今でも夢にでてきて何度でも癒してくれるのです。顔を見せるだけで、しっぽを振ってくれたあの可愛さは忘れない。
そうか、人生を全うするだけじゃ足りないのだ。
あの子みたいに、そばにいるだけで誰かを笑顔に出来ればいいなぁ。
これからの新しい夢が見つかりました。
――僕はゴールデンレトリバーになりたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます