第26回 自己中な人ってどう思います?

 僕は電話・メール・SNSでずっと誰かと繋がっていることが苦手です。メッセージを送るといつでも即レスをくれる人はありがたいのですが、同時に僕はそうはなれないと実感します。


 実際、このような文字を書いている時や、本を読んでいる時は携帯は見ません。バイブが鳴ってメッセージの表示を確認してから、未読無視を続けます。だって、返信したらまた返信がくるんですもん。


 とにかく、自分の好きなことが出来る時間が欲しいのです。




 そこから見えてくるのは、僕はとても自己中心的だということです。


 僕の中の世界では、とても大きな同心円の上に人や物事が乗っています。僕が好きなものほど、中心に近い円の上に立っています。そして、その中心には僕がいます。


 つまり、自分が一番可愛いのです。

 誰かが返信を待っていても、自分がやりたいことを優先します。


 パートナーやお子さんをお持ちの方は、違う誰かがその円の中心にいるかもしれません。でも、僕はまだそれを見つけることが出来ずにいます。


 他人の幸せより、僕の幸せ。

 どこかの餓死しそうな人より、このお腹の虫を黙らせる方が大切です。友達の幸福と自分の幸福であれば、容赦なく僕は自分ぼくを選びます。


 奉仕・利他の心は崇高なものだと思いますが、余りに自分とかけ離れ過ぎていて想像もつきません。それよりも、互恵的ごけいてきな利他性――自分の為になるような思いやりの心。それが、僕の実態を如実に表していると思うのです。


 迷っている人を助けるのも、落ちている財布を届けるのも、こうした独白をするのも、周囲の評価や自己満足が得られるからです。もし、それをが自分に不利益をもたらすのであれば、いくら人の為になるとはいっても、僕は二度としないでしょう。


 僕はそれをどこかで悪い事とは思っていないのです。だから、僕はその言い訳を探すんです。そして、大好きなことわざを見つけました。




 情けは人の為ならず

 ――情けを人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来るということ。

 (コトバンク 大辞林 第三版)




 あぁ、昔の人も自分のことが大好きだったんだなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る