第6回 「初心忘るべからず」の真意
こんにちは、Askewです。発音はəskjúː 、カタカナではアスキューです。
このエッセイ含め4作投稿して、色んな方の温かい反応を貰って、毎日文章を書くのが楽しいです。この気持ちを忘れてはいけない。すぐに慣れてしまう生き物であっても、1PV増えただけでぴょんぴょんと跳ねる気持ちを、ありありと感じ続けたいなぁ、と思いました。
そこで、ふと脳裏に浮かんできたのが「初心忘るべからず」です。
辞書には「何事においても、始めた頃の謙虚で真剣な気持ちを持ち続けていかねばならないという戒め」(故事ことわざ辞典)とあります。その通りですね。今年は家事能力を向上させるぞーと誓ってから、インスタント食品に感謝を捧げ、家電の進化を心待ちにしている今日この頃。初心忘れちゃいました。
それはともかく、この言葉は能の大家である世阿弥が残した言葉なのだそうです。そんな人の言葉だったんだ……。そして、その本質は「初心者だった時の気持ちを思い出そう!」なんて生易しいものじゃないみたいです。
「世阿弥は、人生の中にいくつもの初心があると言っています。若い時の初心、人生の時々の初心、そして老後の初心。それらを忘れてはならないというのです」(※1)
世阿弥は言います。
さも道を極めたように高説めいたものを垂れる、あぁ、なんとあさましい事か。たとえ名人に勝とうが、褒めそやされようが、幸運だと思い励むべし。そこで図に乗るのはひどく嘆かわしく、いやしくみじめなものがすることだ。
――あぁ、そこまで言わないで。
いいじゃん、ちょっと後輩にVlookupの使い方を得意げに教えただけだよ。
理解したように見える振る舞い方が上手になったと言っただけだし。
褒められたら嬉しいよ。ちょっとくらい余韻に浸ったってねぇ……?
と、考えてしまう僕は、ストイックな芸術の世界は難しいのかもしれません。
驕り高ぶることはないけど、謙虚さの加減というのは難しいです。謙虚さはともすると、自分を守るための卑屈さに変わってしまいますから。
少し道を外れましたが、とにかく、このことわざは大切だと思います。常日頃、どんなものに対しても初心は忘れないように……。
そうすればいつかは「中身はふわふわでも、理解した感じを出すことは天才的だ」と誰もが認めてくれるかもしれないのですから。
※1 NHK出版 NHK TEXT VIEW (2014.01.31)
世阿弥が生み出した「初心忘るべからず」という言葉の真意
http://textview.jp/post/culture/11843
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