第5回 文章ぶち壊し衝動

 1作目の「おはよう。捻挫少年」を引き合いに先のエッセイの原稿を書いていたのですが、たった一ヶ月でこんなに粗が見えてくるものなのですね。


 思わず全体を読み直しました。まず、後半になるにつれ、体裁が整っていくのに笑いました。最初はなぜここで改行なのか?! という部分が目立ち、そのうち文章のまとまりがしっくりくるものになっていく。いてもたってもいられなくなり、体裁だけ全話ざっと修正しました。


 すると、気になってくるのが内容なんですよ。「あー、なんか説明多すぎて単調だなー」と思う部分がちらちらと顔を覗かせる。ひゃー、と思いながらスルーしました。でも、強く思いました。


 ――書き直したい。この作品はもっと魅力的になる。


 しかし、一度発表したものを大はばにテコ入れするのはどうなんだ? 今迄読んで貰って、応援やコメントまでしてくれた人に失礼ではないのか……。確かに、間違い無く、あの時はこれが良いと思っていたんです。だから、これはこれで残すべきなのか……。


 そうか、皆さんはこんな苦しさを発表する前に幾度となく繰り返しているのですね。

 作品は早く読んで貰いたい。でも、これが完成なんだろうか。というジレンマを。

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