5月 新しい元号と新しい体験
第66回 人間強度が下がりました
先ほど旅から帰ってきました。旅の中で感じたことはおいおい書きます。今日は帰ってきた今の気持ちを書こうと思います。
この1週間ほど毎日友達と色んな所に行って、ご飯と宿を共にしてきました。そして、昨日の深夜便で友達は日本へと発ち、僕はもう1泊してから、昼の飛行機に乗り込んだわけです。今日の朝、強烈に感じたのは寂しさでした。しーんとした家で寝覚ましに起こされ、昨日までは「眠いー」とか言いながらわいわいと過ごしていた家で一人でいると、なんだかとても後ろ髪を引かれるような、ふと平家物語の「唯春の夜の夢のごとし」というフレーズがぴったり当てはまるような、そんな思いで朝の準備をしたことを覚えています。
貸し切りの民泊でしたが、初めて入った部屋の間取り確認とか、先にトイレに入られて焦ったり、居間で一緒にビールを開けたり、そんなことをこの部屋で本当にしたんだろうか、と晴れた日が差し込む静かな部屋で思いました。
僕はこの1週間でこんなにも弱くなってしまったのか、人間強度が下がるとはこのことだ、と某主人公の言葉に共感しながら荷造りをしました。
単純なことですが、信用できる人がそばにいるというのは、とても安心することなのだと思います。それは別に恋人であれ、友達であれ、ましてや初めて会った人であれ、誰でもいいでしょう。
誰かが寝起きを待ってくれている。帰るのを待ってくれている。出迎えてくれる。
そんなことは凄いことなのです。
実際には、寝起きが悪くて急かされる。早く家に入りたくて鍵を持つ僕を待つ。ご飯を持っている僕を出迎える。
そんな現実でも、凄いことなのです。多分。
ここ数年一人暮らしだったので特段感じませんでしたが、誰かと暮らしたというだけで、短期間でここまで感傷的になることがとても意外でした。
「人間強度が下がるから友達は作らない」
そんな可愛い屁理屈は好きですが、やっぱり誰かがそばにいてくれるのはありがたいことですね。
しかーし、どうしても我慢ならないこともあるのです。
帰ってきて一息つこうとしたその時、僕を洗面所とリビングで待っていたのは、そう
おいおい、寂しい思いはさせねぇぜ、ってか。男らしいね! ヒューヒュー! でも、いくら寂しいからって、流石の僕でもそこまではなびかないよ!
……見つけたものは駆除しましたが、アルコールを多めにしなければ今日は寝れそうにありません。
人間強度が下がり、SAN値もガンガン下がっています。
ほんと、誰か一緒にいてくれないかな。あ、アシダカ軍曹は大丈夫です。いくら彼らを食べてくれるからって、逆に血圧急上昇、動悸息切れ凄まじくなるから。
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