とりとめのない思いの随に

第72回 逆もまた然り、ってかっこいい

　えぇ、今日はタイトルの通りです。

　これで記事終わりです。ちゃんちゃん。

　――とはいかないのが世の常でありまして、書き出したからには何か唸って欲しい部分があればいいなと思う所存でございます。

　でもね、普通に使う機会はほぼないけれども「逆もまた然り」ってカッコよくないですか？　ことあるごとに使いたくなるフレーズトップ１０（テン）には入りますね。他のフレーズが全く思い浮かばないので、然るべくして然りが独走していますけれども。

　これを使うだけで、ちょっと文章がきりっとなると思うんです。

　――正三角形は三辺の長さは等しい三角形である。逆もまた然り。

　――人間は魚のように深海には住めない。逆もまた然り。

　ほらね、きりっと。

　しかも、知っていましたか？

　英語では、このフレーズをVice（ヴァイス） versa（ヴァーサ）と言うのです。

　おいおい、大丈夫かよ。カッコよさが限界突破しちゃってますよ。英語が喋れなくてもこれさえ話せれば、カッコよさレベルカンストしちゃいそうな響きだよ。

　これだけで、僕はカッコよくなりますよ。

　――僕は僕以外の変態にはなれない。Vice versa.

　 ほらほら、超カッコいい。合コンでも注目の的間違いなし。

　このフレーズを使うと、おかんもカッコよくなりますよ。

　――よそはよそ！うちはうち！　Vice versa.

　おいおい、いきなり一般人に見えて実は最強タイプの匂いがプンプンする奥さんに変貌だぁ！

　もともとカッコいい人も、もっとカッコよくなりますよ。

　――深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。Vice versa.

　ニーッチェさんっ！　同じこと二回も言っちゃったよ！　でもカッコいいよ！！

　はぁー、凄かったですね。

　やはり、この言葉にはうんうんと唸る何かがありそうです。

　ただ、このフレーズが持つ欠点はただ一つ。

「一見すると難しい事を言っていそうなのに、実は中身が何もないこと」でしょう。

　でも別に良いんです。

　好きになるのに理由なんてない。

　――僕が好きなだけで好きな理由になるんです。Vice versa.