第64回 運転中に意識がなくなります part.1
さて、コメント欄で「通勤事情を聞きたい」とあったので今日は運転について少し話しましょうか。通勤そのものではないですね。不満なら聞きます。相談ホットラインはいつでも開いていますのでどしどしどうぞ。対策が打たれるかどうかは気分次第です。それに対する不満も受けますよ。対策するかは気分次第ですが。それに対する……(以下略)
ここアメリカは車社会です。なぜなら国土が広いから。日本の都市部のようにごみごみしている場所は一部を除いてほとんどありません。開けた場所では高層ビルを建てる必要もありませんし。タワーマンション? なにそれ、そんな狭い所に住むより、プール付き一軒家の方がいいじゃない、と言いそうな勢いです。
もちろん、道も広い。主要一般道は片側3車線、張り巡らされた無料高速道路に至ってはJC近くは片側5-6車線は普通です。そのため、一般道の制限速度も速く大体毎時45mile(72㎞)くらいが制限です。州によって違いますがアメリカでも10mileくらいはオーバーして走っても大丈夫なので、一般道は約90㎞/時くらいで流れています。僕は職場から10㎞程のところに住んでいますが、職場までは車で15分です。なんと快適なのでしょう。東京で同じ距離を移動した時、1時間以上かかったことが嘘のようです。
そんなアメリカ社会に染まったら、だめですね。
「車で4-5時間? まぁ、ちょっと走るね」
くらいになります。
だって隣町まで200㎞とかありえるんだもの。
日本で言うと北海道を想像してもらえればいいですね。「イオンこの先100㎞」みたいな。お前、どんだけ前に案内しちゃってくれてんだよ、とツッコミたくなること山の如しですが、こちらではツッコミどころ満載で追いつきません。「国立公園には近場の街から片道4-5時間で行けます!」とか観光雑誌に載ってるけどさぁ……。いや、遠いわ! 近場の感覚おかしいよ!!
遠場だけど相対的に見たら近いぜ! 的な。
「みんなが不幸になれば、僕は相対的に幸せになる」理論じゃないんだから。(※1)
まぁ、ともかく広いです。
初めて日本から友達が来た時も「じゃあ空港まで迎えに行って、それから移動しよか!」と安易に提案しました。「羽田でピックアップして、お台場やら横浜行こうか!」くらいのテンションでした。
実際は朝5時に家を出て、11時ごろに空港に到着。友達と昼食をとって、夜の8時ごろに目的地に着きました。一人で1,100㎞程度は運転したでしょうか。
最初は200㎞走ったなーとか考えるのですが、そのうち何㎞走ったとか意識しなくなるんですよね。友達とゲームをしながら、歌を歌いながら、時々、恋バナしながら、ひたすら走ります。あと何㎞とか意識すると叫びたくなるので。Google先生も130㎞/時で走ってるのに、「この先2時間まっすぐです」とか教えてくれるんですよ。わぁ、しんせつ。到着予定時刻もぜんぜん縮まらなーい。すごーい、せいかくだねー! いっぱいゲームできるー!!
……ほんとにこんなテンションになります。ひらがな多くなります。別の言い方をすると、アホになります。
アメリカは怖いです。運転中に意識なくなるんですもの。意識したら負けです。
「ピックアップするよ!」
二度と、安易にそんなことを口にしないでおこうと決意しました。
※1 森見登美彦 太陽の塔(新潮文庫)140ページ
(メモ) 良い言葉ですよね。僕の座右の銘にしようかと本気で迷いました。
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