第79回 僕は性格が悪い
前回、性格は変わらないという話でしたが、僕はかなり性格が悪いです。昔はそれを根本から消し去ろうと努力を重ねた日々もありましたが、一向に改善の気配は見えません。じゃあ、とコペルニクスなのかカントなのか……そんな大層じゃないな、クリボー的転回で辿り着きます。
悪い性格を全部隠してしまおう。臭い物に蓋をしよう。
自分を守るため、勇者のように装備していたポリバケツの蓋をがぱっと被せて、ゴリラテープでぐるぐる巻きに固定しました。応急処置ですが、
おかげで、ありがたくも第一印象はとても良いみたいです。
その場限りの関係であれば、取り繕った姿に綻びは見せません。
同時に、思ったことも言えない人間が出来上がりました。
皮肉なものですね。
とはいえ気を遣わない場では、体面を気にしながら好き放題喋ります。だからでしょうか、湯河原温泉の帰りに後輩が教えてくれました。
「Askewさんは黙っていれば良いのに、喋ると残念ですよね。残念な人ランク上位入賞です」
気になって聞きます。
「他には誰がいるん?」
「そうですねー、IさんとかKさんかなぁー」
Iさんは、大学以降ずっとお世話になっている二つ上の面倒見の良い優しい長身イケメン(いじられキャラ)です。
Kさんは、少し癖はありますが、気の良いサークルの同期です。フットワークが軽くて、それほど飲めないのに飲み会の参加率半端ないやつです。
納得するような、しないような……。
どちらも好きなので、嬉しいような哀しいような。
「もっとも、ひねくれてないAskewさんはAskewさんじゃない気はしますけど」
少なくとも、僕が圧倒的にタチが悪いことは間違いありません。
これは僕が体現しています。
好きなことを好きなだけ、体面も気にせずばらまけるここで、僕は思いの丈を書きなぐっています。性悪でもいいや、って開き直って、感じたことをそのまま書き出しています。するとどんどん捩れていけるんですよね。不思議だ。
Askewは性格悪くないよ、という優しいお方、もう卑怯な戦術にハマっていますよ。そう思わせるために先に自分でレッテルを張っております。本気で思いながら、他人には肯定して貰いたくない。そんな不純な動機が可愛いお尻を隠しきれていません。
キノコ野郎ですね。
本体は隠して、可愛らしい子実体だけ出しやがる胞子野郎、という意味で。もれなく、微妙にしびれる毒をおみまいします。でも、ここまで読んで頂いている方は、それを楽しめる特殊な感性をお持ちなのでしょう。やれやれ。
でも、その特殊な感性を持つ方は、大事にしたいと思う所存。
友達も含めてね。嬉しいなぁ、ありがたいなぁ、と、いつも感謝しております。第59回で書きましたが僕は運が良い。その中でもこれは最大の幸運だと思うんですよね。そんな人のために、性格が悪くても良いから、これからも捩れていきたいものです。
ちなみに、これも罠ですからね。
へっへっへ、お気を付けを。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます