第23回 荒れた高校時代


 今日はとても嫌な夢を見ました。かなりの自信を持って臨んだ中学生レベルのテストが全然できなかったのです。竹ぐしのように屹立した極細の自信が砕け散り、そんなはずはないという意識と悔しさに苛まれました。テスト爆死の瞬間とともに目が覚め、夢だと分かった時には思わず苦笑が漏れた朝でした。


 ただ、びっくりしたのは目が覚めた時、2つの意味で安心した自分がいたことです。

 

 1つ目は、単純に嫌な感覚から抜け出せたという安心感。


 2つ目は、自分で良かったという安心感でした。今迄の人生では、自己否定感を強く出していて、高校の部活で挫折してからは、より卑屈な性格と考え方に拍車がかかりました。でも、今朝目を覚ましたとき、平均はとれる自分に生んでくれたことへの感謝を感じたのです。


 高校時代は、唯一の初心者として入った部活で同期どころか後輩にもついていけず、憤懣ふんまんやるかた無い思いに四六時中苛まれていました。毎日生まれ変わりたいと現実逃避していましたし、イライラを隠さずまき散らしていました。まさにムカムカの権化でした。


 そのため、言うのも恥ずかしいのですが、高校時代は荒れに荒れていました。モノにあたっては怒られて、鬱屈し、更にすさんでいったのです。ヒトにあたっては右手の中手骨が破壊され、利き手の使えない生活に苛立ちが募りました。


 最終的に疲労骨折で痛む左ひざを、痛み止めと右足でかばって無理やり続けたものの、右足首靱帯損傷でまともに歩けなくなってゲームオーバーでした。応援してくれた友達とか、教えてくれた人たちに本当に申し訳なかったです。それで完全に匙を投げて、心から応援も出来なかった度量の小ささも嫌になります。


 そんな自分がいたのですが、最近は比較的心穏やかに考えられるようになってきました。器量がよくなったのではなく、自分の運の良さ、周りの人柄の良さに気付かされただけなのですが……。


 そうした変化を今日の夢で気付くことが出来ました。もう見たくはない悪夢ですが、こうしてネタになったので結果オーライでしょう。




 将来的にはそんな記憶も忘れて、のほほんと暮らせるようになれば良いなぁ。







 ――ちなみに、高校時代荒れていたのは僕の胃で、あたったヒトは僕自身です。


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