第57回 その先が書けない


 第53回では自作の短編を2作紹介させてもらいましたが、星向 純さんより続きを書いて欲しいとのコメントを頂きました。このカクヨムで「書いて欲しい」なんて、身に余る光栄です。本当にありがとうございます。


 ですが、僕はこの先が書けるのか――。そう考えました。


 恋愛作品(と思っているもの)は短編集も含めて4作発表しましたが、大団円って皆無なんですよね。僕は恋愛のようです。くっついて終わるのも良い。片思いで終わるのも良い。すれ違って終わるのも良い。でも、くっついてからを書くのが相当苦手みたいです。


 理由は簡単「イチャコラなんてしたことないから」です。これは付き合うとかそれ以前の問題です。彼女もいたことがあります。でも、一瞬で終わりました。完全に僕のせいです、ごめんなさい。


 僕はそもそも自分本位で他人に興味が無いのでしょう。「人との距離の理想像」(※1)ではその屈折した考えを晒しましたが、彼女らが求めている彼氏像とは程遠い人間なのです。だから、希望に応えられない。


 今回は淡い夏を過ごした二人を描きましたが、その先の幸せな未来は思い浮かばない。これが僕の性分なのです。それでも書いて欲しいと言って頂いて、僕の中で新しい芽が生まれました。僕は必ず続編を書きます。書きたいのです。でも、それが期待に沿ったものとは到底思えません。これが読者は二番目と言った本質(※2)です。僕は僕が書けるものしか書けません。


  それでも、書いて欲しいと言って頂いた嬉しさは本物です。


 そもそも期待自体をはき違えているかもしれませんが、というかそんなことが出来ていたら何にでもなれる気がしますが。まずは書けることを書きたいなぁと。


 今はその先が書けないけれど。


 いつかは僕なりのその先が書けるようになれば良いな、と思います。





※1 人とずっと一緒にいると疲れるんですよね。気を遣わない人云々ではなく、一人の時間も欲しくなります。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888425664/episodes/1177354054888583698


※2 読者は二の次。リクエスト頂いても書けるものしか書けません。でも、精一杯書きますよ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888425664/episodes/1177354054888874872

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