第60回 桜の情緒


 4月と言えば桜!! やっぱり春は桜が見たいですよね。昔は花見と言えば梅だったらしいですが、僕はもっぱら花見と聞くとお団子とお酒が欲しくなります。

 

 この季節はどこにいっても桜の花が綺麗に咲いています。帰国してすぐに上野公園で花見をしました。公園内に咲き誇る桃色の花びら。色んな人がその下でお団子を食べ、お酒を飲み、時には歌い踊っていました。

 

 その次の週は、男友達と中目黒で飲んだ後に、川沿いの夜桜を眺めて歩きました。ライトアップされている夜桜はまた異なった情趣があり、なんとなく浮足だったのを覚えています。


 また、九州でも桜を見ました。川沿いに並ぶ満開の桜。東京のように人込みはないけれど、咲き誇るピンクは静かな水面に反射して、見事な逆さ桜が映っていました。


 そして、今は地元の関西で、はらはらと舞う花びらを見ながら、春の訪れと新しい季節の幕開けを感じています。


 こうして思うと、桜という花がどれだけ僕たちの季節感に根を張っているか、四季の移り変わりは自然と共にあるのを実感しました。桜の季節は2週間ほどしかないので、たまたま帰ってこられて良かった。



 白とピンクの花に囲まれて、Hershey'sやGhirardelliのチョコを花咲かじいさんの如くばらまいていると、まるで僕が桜の花を咲かせているようで楽しくなってきます。お酒も進む進む。お菓子とお寿司とお団子をパクパクと食べて、久しぶりに会った友達とケラケラと笑い合うと楽しくて、気持ちもふわふわしてきます。

 

 まぁ、たまには食べ過ぎても良いか。たまには揚げ物ばかりでも良いか。そんな考えがぷかぷかと浮かんでくるので思わず飛びつきます。昼から飲み始めて、居酒屋に移動して、夜はカラオケでワイワイ騒ぐ。あぁ、楽しい、楽しい。

 

 あぁ、春だなぁ。


 僕は春を満喫しています。

 

 そして、そんな泡沫がぱちりと弾ける飛沫に気付いて見回すと、痛む頭にもたれる胃と掠れる喉。さらに寝不足が花粉症の症状に追い打ちをかける。


 あぁ、これも春だったなぁ。

 

 ……春を存分にお見舞いされました。満喫は出来たと思います。しかし、やはり春は痛みを伴いますね……。

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