第12回 むっつりスケベ卒業

 高校生の時、ショックを受けたセリフがあります。あれは高校二年生の初夏でした。新しいクラスにも慣れてきて、新しい友達と廊下を歩いている時です。軽口を叩きながら、流れで軽い下ネタを放りました。すると、友達はきょとんとして言ったのです。


「○○君が下ネタを言うなんて思わなかった」


 素直に驚いたような表情で言ったのです。僕もびっくりしました。

 ――僕のイメージってどうなってるんだ?

 おそらく下ネタも言わないような好青年に見られていたのでしょう。


 しかし、マズイ! このままではむっつりだと思われてしまう!

 その時、僕は爽やかにスケベが言える好青年になることを決意しました。


 今までの経験上、むっつりのデメリットはこんな感じ。


 ・悪いギャップになる

 「アイツ意外とエロい」は基本ダメです。

 なんか気持ち悪く、ニヤニヤしているイメージありますよね。

 エロい話題はデリケートなので、急に放り込むとひるみますし。



 ・一緒に盛り上がることが難しくなる

 昔からしょーもない下ネタは好きです。

 そんな中、むっつりしていると発言が少なくなる。

 発言が少なくなると、盛り上がりに乗り遅れる。

 

 たまに言うと、むっつりスケベ認定確実。

 これはお互いによろしくない。



 ・話題の選択肢が減る

 嫌いなら別ですが、わざわざ捨てる必要性はないです。

 することやってきた人たちはけっこう寛容ですし。

 なんでも話せるという雰囲気はあった方が良いですよね。

  


 ほら、むっつりよりオープンの方が良くないですか? 隠さない方が生きやすい気がしてきます。もちろん、人を不快にするようなオープンさはいりません。あくまで、爽やかなスケベを目指すべきなのです。僕は目下、普段から爽快にエロいという目標に向かって励んでいます。


 だからこそ、彼女いたことないという話になると、自分から童貞ですと言います。そしたら、いじってください。可哀想だなと思ってもいいです、笑ってください。


 その方が、次から僕に対して気をつかわなくていいでしょ?

 

 でも、そんなに未経験って気まずくなることなんでしょうか……。

 別に恥ずかしいことじゃないんですから、もっとオープンに生きたいなーと思うんです。

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