第188話
ええっと俺の席は14のD席だから......ここか。俺は自分のチケットを見ながら席を確認し、荷物を上の棚に置いて座った。新幹線で移動している間は友達と話す予定だったがその予定がぶっ壊されたので適当にスマホを取り出す。結局隣、誰なんだろうと思っているとすぐに声を掛けられた。
「ごめんなさい唯桜君、前通りますね」
「あぁ、この席彩葉だったんだ。わかった」
「あれ?教えてもらってなかったんですか?」
「そうなんだよ。まじであいつ何なんだろうな」
隣彩葉だったのか。ラッキー!話したことのない夜見アンチの女子が座るとかなったらまじで最悪だったからな。まじであいつ彩葉なんだったら言えよ!っていうか誰だとしても言えよ!!俺はだんだんあいつを殴りたくなってきたが冷静に考えて運動部のやつに俺が勝てるわけないということに気付き落ち着く。
「今から2時間半新幹線ですよ!乗る機会があまりないですし夜見君と隣なので楽しみです!」
「そ、そうか。俺も新幹線に乗るのは久しぶりだな。まあ適当に話していたらすぐ着くだろ」
「そうですね!実は今日楽しみすぎてあまり寝れていないんですよね___」
________
「あー、でも旅行って......寝てる?」
1時間ぐらい2人で話しているといつの間にか彩葉が眠っていた。あれ?5秒ぐらい前は普通に話してたじゃん!そんなに寝れてなかったのかな?もしくは俺との話面白くなかった?.....前者だと信じたい。そんなことを考えていると新幹線が少し横に揺れた。その影響で彩葉の体制が崩れ俺の方にもたれかかる状態になった。え!?こんな状況現実であるのかよ!やばい、気になってスマホに集中できない。よし落ち着け夜見唯桜、一旦深呼吸だ。スー、ハー。よし落ち着けた....わけねえだろボケが。起こしてもいいんだけど幸せそうな顔で寝てるしこのままにしといてやるか。
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10分後
「あれ?クソカスごみ夜見と綾崎ちゃん、2人とも寝てない?」
「ほんとだ!しかも2人でもたれかかって寝てる!やばいめっちゃビジュ良い!.....夜見も性格良かったらたらかっこいいんだけどなぁ」
「勿体ないよねぇ....あ、盗撮しとこ。こんな修学旅行名シーン集確定の絵面じゃん」
「いいじゃん!夜見の弱みにもなるしね。綾崎さんには少し申し訳ないけど....」
クラスメイトにそんな写真が激写されているなんて、綾崎と夜見は一切気付かなかった。
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