第17話 穴があったら入りたい
「え!?急にどうしたのですか夜見君!?」
この物体ってもしかして....綾崎!?この事実もやばいけどもっとやばいやつが居る。そう、透けて見える幽霊の少女だ。本能的にあれは布や人じゃないことはわかった。あれはやばい。人間の放つ雰囲気じゃねえ!
「ほ、本物の幽霊!!!居た!!!!!」
俺はさっき透明の少女がいた場所に指をさす。怖すぎてもう一度見ることが出来ない。パニックになり過ぎてカタコトになった。
「えっと、何も居ないですけど...」
「そんなはずないって!!さっきあそこに...」
さっきは確実に視界に捉えていたって!!俺は勇気を振り絞ってもう一度振り返る。
「あ...れ.....?居ない?」
そんなはずはない。半分消えかかっている謎の少女はどこ行ったんだよ!!
「本当に見かけたのですか?」
綾崎が俺に訪ねてくる。
「確かにいたって!半透明な少女がいたんだって!!」
信じてなさそうな綾崎に俺は一生懸命説明する。
「わかりました。いたのですね。それよりもそろそろ離れてくれませんか?」
「あっ!」
そうだったずっと抱きついていたんだった。うぅ、恥ずかしい。
___________
「綾崎本当にごめん」
「夜見君!顔を上げてください」
俺は今土下座をしている。かれこれ5分はずっと土下座をしているのではないだろうか?綾崎と気付かず抱き着いいたこととおばけにビビりまくっていた事で申し訳無さと恥ずかしさでいっぱいだ。恥ずかしすぎて綾崎の方を見れない。
「私は気にしてませんから!多分私もそのおばけを見ていたら夜見君と同じようになっていたと思いますし」
「本当にすまない!俺はもう男子部屋に戻るから!!」
俺は走って小屋の方へ向う。今は早く綾崎と離れたい。
「夜見君!また明日ー!!」
綾崎はどんどん遠ざかって行く俺に聞こえるように大きな声でそういった。優しすぎるだろ。
___________
「夜見くーん?綾崎様と随分仲が良いようじゃあないか」
俺が小屋に入った瞬間に女子に飢えたクラスメイト達とエンカウントした。
「俺がペアだったら!はっ!今夜見を殺したら夜見の代わりに俺がペアになれるじゃん!!」
「お前の私欲で勝手に俺の人生を終わらせるな」
「みんなー!!夜見を布団で簀巻きにするぞー!窒息だー!!」
一人のクラスメイトがそうみんなに呼び掛けると全員が用意された布団を持って襲い掛かって来た。こいつらまじでやる気だ!目がイッてやがる...。
ここは本当に進学校なのかわからなくなるな。周りはこんなアホしかいないし。
「ここで人生終わらしてたまるかよ!まだ綾崎と仲良くなれない雑魚は全員まとめてかかっててこいや!!!」
俺はバトル漫画の主人公かデスゲームに参加させられたモブみたいなセリフを吐くとある一人のクラスメイトに向かって思いっ切り枕を投げつけてやった。
「あぁ?やんのか夜見ぃ?」
「あいつは所詮頭が良いだけのクズだ!!ボコボコにするぞ!」
「王女様と仲良くしやがって!こんな雑魚みんなで袋叩きだぜ!!」
ひゃっほーう!!枕投げバトルロワイヤルの時間だぜ!
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