第18話 レクリエーション
合宿2日目、俺は無事全身筋肉痛となっていた。今回は昨日みたいな嘘ではなくガチの身体中が痛いやつだ。昨日山登りもしたしそれに加えて枕投げパーティやってたから俺の体力的には妥当だ。
「すまない綾崎、今日は本当に筋肉痛っぽいわ」
夜ご飯をお腹いっぱい食べれなかった分、朝ごはんを食べまくっているときに同様に朝ごはんをいっぱい食べている綾崎に伝える。
「肝試しが怖いからという理由では無いですよね?」
「昨日の件は本当にごめんなさい。今日は肝試しがないのでそのような理由ではございません」
昨日の肝試しのときの嘘ですっかり疑われていた。俺が悪いので間髪を入れず直ぐに謝る。っていうかあの半透明の少女は何だったんだろう?実行委員の人に聞いてもあそこには何も仕込んでないって言うし。まさかの本物の....うん、これ以上考えるのは辞めにしよう。
「昨日の件はもう大丈夫ですから!それよりも飯ごうの時間迄は自由行動ですよ。夜見君は友達が多いですからこういうときは羨ましく思っちゃいます」
「は?自由行動?初耳なんだけど」
そんな事言ってたような言ってなかったような先生の話を聞いてなかったせいのような気がする。十中八九最後のが原因だな。間違いない。
「もしかして一緒に遊ぶ人いない感じですか?」
「そういうことになるな。誰にも誘われてないし」
仲のいいクラスメイトにも誰一人とも誘われなかった。単純に悲しい。
「私も一緒にいる人が居ないのですか、もしよかったら一緒に居ませんか?」
「別に断る理由もないけど。綾崎って友達いないの?」
前からちょっとだけ気になっていたことを質問する。いつも1人でいるし誰かと話しているところなんて1度も見たことがない。
「私は何故か普段、女子の皆さんから避けられてしまうのです。もし話しても直ぐに何処かに行かれてしまったりします」
これはあれだな。美人すぎるから皆綾崎に近寄りがたいのだろう。王女様って呼ばれているぐらいだし男子は勿論女子にとっても高嶺の花なのか。俺はブスなのにハイスペックイケメンの零といつも一緒にいるからもう慣れているけど。
「その点、夜見君は皆さんにに話すときのようにに私に接してくれるのでとても嬉しいです」
「そりゃ良かった。男子だけどあの同じクラスの馬鹿共も呼ぶか?綾崎も居るって言うと秒で飛んで来るぞ」
今の話を聞くからに綾崎は皆と仲良くなりたいと思っているらしい。それだったら男子だけだけど友達作りは協力できる。女子には話しかけただけで叩き潰される。
「良いのですか!?ぜひお願いしたいです!」
「助け合うのが友達だからな。よし!じゃああいつら呼びに言ってくる」
丁度ご飯を食べ終えた俺は仲が良い男子達がいるいくつかのペアのところに向かっていった。
_________
「夜見ー!結局何するんだよぉ」
「うるせえ今考えてんだよ!思ってた以上に人数が増えたからな!!」
そう皆を呼びに行ったは良いものの人数が増えすぎてトランプとかそういった類のゲームが出来なくなってしまったのだ。綾崎の人気完全に舐めてた。まさかクラスの男子の8割が集まるとは...。
「では鬼ごっこはいかがでしょうか?これならルールがわからない人もいませんし皆で楽しめます」
「「「やったーーーーー!」」」
何で鬼ごっこでここまで喜べるのだろうか?まさか合法的に綾崎に触れれるし触られるとかそんなキモい理由じゃないよな。
「合法的に綾崎に触れるし触られるじゃねえか!」
男子の一人が綾崎に聞こえない声の大きさでそういった。やばい。俺、人選確実にミスったわ。
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