第157話
「〇〇水族館のイルカショーへようこそ!!この子たちも精一杯頑張りますので応援よろしくお願いしまーす!!」
これからイルカと一緒に泳いだりするだろうお姉さんがイルカショーの開演を告げた。会場に着いた時と比べてだいぶ人も多くなり、席もほとんど埋まってる。何故か最前列は結構空いているけどまあ偶々だろう....多分。っていうか何か忘れてる気がするんだよなぁ。
「唯桜君!いよいよ始まりますよ!!」
彩葉は水族館に入ってから興奮がずっと冷めていない。楽しんでくれてるのは嬉しいし、俺も楽しいから全然いいんだけどはしゃぎすぎて風邪とかを引かないか少し心配だな。
「目に焼き付けるとするか」
ショーが始まるとイルカたちは手の動きを見て、飛んだり泳いだり輪っかをくぐったりしてとてもすごかった(語彙力皆無)。でもこれ、この高さの水槽だと客席に水しぶきとか飛んできたりしないか?普通にやばくね?彩葉は....イルカショーに夢中で何も気づいていないっぽいな。まあでもまさか客に水がかかるようなことなんてあるわけないか。そう思って安心してみているとイルカが大きくジャンプしてかなり高くにつるされてあるあるボールをキャッチした。
「おぉ!!」
「すごいです!!」
俺達だけでなくこのショーを見ている全員が感嘆する。よくこんなに飛べるよな。やっぱりショーをしているとき以外も裏で練習をしているのだろう。そう思うと応援したくなってくるな。頑張れ!!......このまま着水ヤバくね?水しぶきがほぼゼロで着水するのだろうか?俺がそう思っているとイルカは大胆にお腹を打ちながら着水した。勿論大量の水が最前列に座っている俺と彩葉に覆いかぶさる。水がかかる寸前、目の前に来た大量の水を見て、俺は思い出した。そういえば昔テレビか何かでイルカショーの最前列は水がかかるからやめた方がいいって聞いたことがある!!何で今まで忘れてたんだろう?.....もう今思い出しても遅すぎるけど。
「寒っ!!彩葉!大丈夫か?」
「私は全然大丈夫です。唯桜君こそ大丈夫ですか?」
大丈夫だったとしてもこれは俺のリサーチ不足だったな。今日の朝からあった何か忘れてそうなもやもやしていた違和感の原因ってこれか!!取り合えず、このショーを見終わったらお土産売り場でパーカーとか買って着替えた方がいいな。どうせ売ってるだろ。
「冬だし寒いって言うのはあるけどまあそれ以外は何もないな」
3月の頭に冷水を被ると寒い。また一つ学んでしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます