第175話

「雨冷たっ!」


傘が差せないままびしょ濡れで帰っているとちょっと前で中学生であろう女子たち3人が1点を見てきょろきょろしていた。何々?何があったの?(野次馬精神)まあその場所はすぐに通るし確認できるか。落とし物でもあったのかなと予想を立てているとすぐ目の前に来た。俺は何があるのかを確認するために少しのぞき込む。あっ!


「子猫か.....」


そこには段ボールに入って寒さに震えている猫がいた。うわ、これ見つけてしまったら放っておけないタイプの奴じゃん!そして、今の俺には3つ選択肢がある。1つ、無視してそのまま帰る。2つ、俺が家に持って帰る。3つ、この子猫を近くの交番まで届ける、だ。


「あの、この子ってどうしてあげたらいいんですか?」


子猫を見つけてしまって困っていた中学生の内の1人が俺に声を掛けた。うん、これで1つ目の案は消えたな。まあこれは家に帰っても心配になるだけだし1番無い択だったからいいけどな。


「うーん、交番に連れて行ってあげるのが安牌かな。この子を家で買うことができる人がいたら連れて帰っても良いと思う」


俺は中学生に聞かれた質問にそう答える。うちは.....姉がほぼ常に家にいるから飼えなくもないけど流石に親の許可がない事には飼えないしなぁ。あとうちの姉がこまめに面倒を見れるとは思わない。


「あの、私達中学生で学校にスマホを持ってきていないので交番がどこか調べることができないんですけど......」


制服を見て俺が高校生とわかったのだろう。これはもう俺が連れて行くしかないな。


「ついていくので道を教えてくれませんか?」


あぁ、そういうことか。まあ第一発見者がいるともし交番で詳しい事情を聞かれたりしても安心だしな。


「あぁ、わかった。交番はこっちにあるらしい。ちょっと歩くけど大丈夫か?」


「「「はい!!」」」

___________

段ボールは濡れてしまっていてボロボロだったので子猫をそこから出して中学生の1人が持っていたタオルを巻いてあげている。段ボールは濡れていて少し汚かったので女子に持たせるわけにもいかず、俺が持つことにした。俺はもう雨にうたれて濡れてるし問題ない。


「あの、○○高校ですよね」


交番まで向かっている途中そう話しかけられた。制服で分かったのだろう。


「うん、そうだよ」


「私達、中学3年生なんですが○○高校の入試を受けるんです」


「めっちゃ難しいって訳ではないから大丈夫だよ」


でもこの学校の入試を受けるぐらいなんだ。かなり頭が良いのだろう。ん?もしこの子たちが入学してきたら俺がクズじゃないことバレるんじゃね!?やばい!これは何があっても名前を知られるわけにはいかない!名前だけは死守するぞ!!





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