第176話
そのあと、高校はどんなところかやどのような授業があるのかなどを話していると交番に着いた。っていうか俺こんなに濡れてるけど交番の中まで入って大丈夫かな?俺がそう疑問に思っていると中学生たちが猫を抱えて中に入っていった。着いていくか。入るなって言われたら帰ろう。そう思い俺は中学生たちに続いて入る。
「どうしたんですか?」
中に入ると同時に警察の人に話しかけられる。ここは俺が説明した方がいいよな。
「○○公園の近くでこの子猫がこの段ボールの中に入って捨てられていたので交番に連れてきました」
「わかりました。こちらで預かります」
良かった。この子猫は取り合えず交番で保護されるようだ。この後新しい飼い主が見つかるといいな。っていうか見つかってくれ!!
「一応電話番号と名前だけ書いていただきたいんですけど」
来た!でもここはとある対策をもう考えている。答えは単純だ。
「俺今濡れてて紙に書けないから誰か書いてくれない?」
俺は中学生たちにそういった。はい天才。しかも全然不自然じゃない。名前もばれないし。
「じゃあ私が」
女子中学生の内の1人がペンを取る。そして警察の人が出してくれた書類に電話番号と名前を書いた。警察の人は書類を確認し俺達に感謝を述べる。
「わざわざありがとうございました」
「いえいえ、あとはよろしくお願いします」
いやぁ、やっぱり困ったときは警察に行った方がいいな。運よくめっちゃ優しい人だったし。そう思いながら俺たちは交番からでる。
「あの、交番まで案内してくれてありがとうございました」
「全然大丈夫だよ。受験頑張ってね」
俺は中学生たちにそう言い、この場から立ち去ろうとする。
「お名前って」
やばい。帰り際に一番面倒くさいど
「あぁ、えーっと。受験頑張ってね!!(ごり押し)」
俺はそう言ってすたこらさっさと逃げた。何とかごり押しで逃げ切ったぜ。もう不自然でもなんでもいいから名前バレだけは避けたかったしな。人間って顔は意外とほんわかとしか覚えたりしないけど名前は覚えたら中々忘れないからな。
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夜見が去った後の女子中学生の会話
「やばいよ!めっちゃイケメンだったよ!!」
「名前は教えてもらえなかったけど顔は完璧に覚えた。っていうか忘れられないよ!あんなにイケメンだったら!!」
「○○高校に行くために受験勉強頑張ろう!!」
「「「おー!!」」」
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