第150話

「次は....サッカー部か」


バスケ部の予算を確定させてから、あの後もいくつかの部活を回った。今のところは俺がクズって言う噂のお陰でぎりぎり耐えている。サッカー部実績は結構出してるんだけどそれにしても予算が多すぎだったから削ったんだよなぁ。それについて文句言われそうで怖い。ま、まあ俺のクズの噂を最大限まで利用してなんとか抑え込もう。


「サッカー部が一番不満はありそうですね。仕方のない事なんですが....。ちょっと怖いです」


「彩葉は可愛いから誰も文句言ってこないよ。矛先は絶対に俺だ。命をかけても良い」


当たり前だが彩葉に対して文句を言うのだったらサッカー部の奴らは俺に文句を言うだろう。うまく受け流したいなぁ。


「あ、ありがとうございます」


「いつも彩葉には助けてもらってるし今日は俺が頑張るよ」


「私の方こそ、いつも唯桜君に助けられてばっかりですよ!」


「いやいや、そんな事無いって」


そんな事を言っているとすぐにサッカー部が練習しているグラウンドに着いた。


「生徒会です。部活動の予算が確定したので連絡しに来ました」


よし、まずは確定したと言ってもう今更変えることはできないと思わせる作戦だ。本当は全然変えれるんだけどね。


「部長、生徒会の人が来てますよ」


「今行く!」


他の部員が部長を呼んで部長はこちらに向かって走ってきた。やっぱり3年生は迫力があって怖いな。


「予算が確定したのか?なら見せてくれ」


「こちらです」


部長がそう言い、彩葉は持っていた予算案を渡す。


「これ、少なすぎだろ。増やしといて。じゃ、俺練習あるから」


ざっと目を通して部長は俺達にそのプリントを返す。うっざ!こっちだって一生懸命予算案考えて来たのに!!他の部活より多少は結果出してるからって調子乗りやがって!


「だから、もうこれで確定したんですって!話聞いてました?理解できます?あとサッカー部は結果は出していますが今まで予算が多すぎました。なので減らしただけです」


俺はイラっときて少し強い口調で言い返した。今作り直したらさっき了承してくれた部活たちの予算が変わってしまうから申し訳ないしあまり変えたくねえんだよな。


「それがどうしたんだよ。急に予算減らされてはいわかりましたって納得できるわけねえだろ。現に大会でもかなりいいところまで行ってたじゃねえか」


部長が俺に向かって切れてくる。はぁ、この手は使いたくなかったけど仕方ない。使うしかないか。


「その大会、調べされてもらいましたけど偶々トーナメントの周りに強豪校がいなかっただけですよね?結果を出していない弱小校に勝っただけで中堅校と当たったらボコボコにされて負けてるじゃないですか」


ふっ、勝負あったな。この議論、俺の勝ちだ!!

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