第127話
生徒会室で作業をしていると一時限目の終わりを告げるチャイムが聞こえてきた。今日の放課後にやる予定だった仕事も結構終わったしかなり有意義な時間だったな。そう思いながら俺は教室に戻る。
「夜見、大丈夫だったか?賠償金とか....」
「なんか向こうの事務所で対応してくれるらしい。金も払わなくて良いし何なら雑誌もそのまま出すらしい」
こいつ急に俺のこと心配し始めてどうした?お前が心配してるのとかマジでキモイんだけど。いや、こいつらのことだから何か絶対裏があるはずだ。間違いない!
「うっわ!うちのタレントの株を落としたとかで賠償金ねえのかよ!ジュース奢り確定じゃん!」
「はい~俺の勝ち!賠償金ねえらしいからジュースよろしく!」
こいつら俺のことを心配してるんじゃなくてただジュース賭けてただけだったのか。フッ、予想通りだな!俺のことを心配する友達とかキモ過ぎるから安心したわ。
「っていうかお前スカウトだとしても紲星ちはやと2人で飯食ったのかよ!羨ましい!」
「そうだそうだ!」
「断れる雰囲気じゃなかったんだよ」
俺が適当に友達をあしらっていると彩葉が心配そうに話しかけに来た。
「唯桜君、体調が悪いのですか?」
「まぁ色々あってね。今は元気だから」
「そうなんですね。しんどくなったりしたらすぐに保健室に行ってくださいね!」
なんか俺が体調悪かったと勘違いしているようだけど今起きたことを説明するのは難しすぎる。バイトで読モしたら有名モデルと撮影してご飯食べに行ってスカウトされて断ったけど相手のモデルの熱愛報道で俺がネットニュースに乗って事務所に問い合わせたところ何とかしてくれるらしい←今ココ!
うん、自分でも何がどうなってるのか意味わからない。
「わかってるよ」
朝から怖かったぁー!
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放課後、生徒会室
「俺の分の仕事終わったんですけど何か手伝えることありますか?」
一時間目サボった甲斐があり一瞬で全部の仕事を終わらせることができた。
「実は今日は皆そんなに忙しくなるような仕事はないんだよね。だから先に夜見君は先に帰っていいよ」
おぉ!会長から先に帰っても良いと許可が出たのでお言葉に合わせてそうさせてもらおうかな。
「じゃ、お疲れ様でーす」
俺はそう言って生徒会室から出た。今日は疲れる一日だったな。家に帰ったら即寝よう。そんなことを思いながら校門をくぐると前の道路には1台の高級車が止まっていた。めずらしいな。あ、高級車から人が出てきた。あれ?なんかこっちに向かってきてね?いやいや、冷静に考えて俺に向かってるわけないか......これ確実に俺に向かってきてる!!そして高級車から降りて近づいてきた人に声を掛けられた。
「夜見君、この度は私の注意不足で迷惑をかけてしまって申し訳ないわ」
「えぇ!紲星さん!?」
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