第85話
俺と友達3人、そして綾崎でゲームセンターに向かっている途中、1人の友達が話し始めた。
「綾崎さんって最初は話しかけづらかったけど今はめっちゃ話しやすくなったよな?」
それにもう1人の友達が反応する。
「うんうん。やっぱり夜見と綾崎が絡み始めてから俺等も綾崎さんと話しやすくなったな」
「私としてはもっとたくさんの人と仲良くなりたいのですが...」
合宿のときに綾崎もいるって言っただけでめっちゃ大人数の男子を遊びに誘えたから綾崎は人気だと思うんだけどなぁ。皆には高嶺の花だと感じるのかな?
「そういえば夜見と綾崎ってどうしてこんなに仲がいいんだ?」
「確かにそれ俺も気になるかも!!」
「えぇっと...確か....」
俺は友達にそう言われ、初めて綾崎と話したときの会話を思い出す。そうだ!クズじゃないことがバレて呼び出されたんだった!!これ絶対に友達に言ったら行けないやつだしそこだけきれいに説明を省こう。
「初めて話したのは多分初夏ぐらいでそこから合宿でペアになって今に至る」
「そうだったそうだった!夜見が綾崎様とペアで羨ましかった記憶あるわ」
すると綾崎が首を傾げながら話した。
「あれ?夜見君とは多分入試のときに話しましたよ」
「まじで!?」
さらっと凄いこと言ったな!?えぇ?入試のときに綾崎と話した記憶なんて無いんだけど...。俺が必死に入試のときの記憶を辿っていると友達が変なことを言ってきた。
「それってあれじゃん!!ラブコメとかでよくある男子が偶々隣だった女子に親切にしてその時点で好かれてるやつじゃん!!」
なんかオタクが興奮してるな。しかし俺には入試のときに誰かにそんな優しくしてあげた記憶など一切無い。
「でも夜見だぞ。優しくなんてするわけなくね?」
「そっか....それもそうだな!」
俺をそんなにもクズだと思ってるのか?だとしたらクズのフリは大成功だから嬉しいな。
「夜見君は席がわからなくて困っている私に...」
「ま、まさか案内をしたのか!?」
「あの夜見が...!!」
あっ!思い出した!!確か....
「邪魔だから退いてくれない?と言ったんです」
言ったわ!!俺そんなこと言った記憶あるわ!!そっかあの人が綾崎だったのか。あのときは顔とか見てないし覚えてるわけ無いな。
「やっぱりお前クズだな」
「期待を裏切らないクズ、それが夜見唯桜!!
友達が色々言ってくるが無視しとこう。綾崎とこいつらの会話は面白いけど最終的に俺に矛先が向いてくるんだよな。正直こいつらのヘイト管理めっちゃ疲れる。あぁ、早くゲーセンつかないかなぁ。
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