第86話

「よし!お前ら!!クレーンゲームやるぞ!!」


友達が皆に呼びかける。クレーンゲームか、何回かやったことあるけど結局景品取ったことがないんだよな。何も取れないから終わった後お金を浪費したという虚無感だけが残るしなぁ。俺は見守っとくか。


「このぬいぐるみ、可愛いです!」


綾崎がクレーンゲームの中にあるくまのぬいぐるみを見ながらそう言った。...確かに可愛いな。


「よし!俺が1発で取って綾崎様にいい所を見せるぞ!!」


そう言って友達はクレーンゲームに100円を入れ、アームを動かした。なんか取れそうなんだけど!こいつうまくね!?


「って本当に取れてるじゃん!!」


「すごいです!!」


思わず声が出た。こいつにこんな才能があっただなんて知らなかった。1発で取れたことに綾崎も驚いている。


「はいこれ、綾崎さんにあげるよ」


「えぇ!良いんですか?」


「俺はいらないから全然いいよ」


「ありがとうございます!!」


そう言って友達は綾崎にくまのぬいぐるみを渡した。こいついつもと違ってちょっとかっこいいぞ!どういうことだ!!(失礼)


「なあ夜見、今の俺、かっこいい度で言ったらどれぐらいだ?かなり高い気がするんだけど」


「その言葉で台無しだよ」


よかった、かっこよく無くなった。いつものこいつだな。


_____________

「メダルゲームやろうぜ!メダルゲーム!!」


友達にそう言われ、俺たちは移動する。メダルゲームはやったことが無いんだよな。その点ちょっと楽しみではある。


「メダルは前に来たときに大量に預けてあるからそれで遊ぼう!!」


そう言われ、友達から1人1カップメダルを渡された。どれだけ預けてるんだよ!


「じゃあ俺桃鉄やってくるから好きにそれ使って遊んどいて」


そう言って友達は桃鉄の台があるほうに向かって行った。桃鉄ってメダルゲームもあるんだな。初めて知ったわ。俺は何しようか。まあうろうろして何か面白そうなやつあったらやるか。


「あの、夜見君」


「なんだ?」


綾崎に声を掛けられ、俺は立ち止まる。


「これをやってみたいのですが、やり方があまりわからなくて...」


綾崎が指を指した台はドラクエの台だった。確かに面白そうだな。


「実は俺もあまりやり方知らないんだよね。まあ一緒にやってみようぜ」


そう言って俺と綾崎は2人で座る。ええとこれはメダルを入れて転がして押し出すのか?一旦やってみるか。そう思い俺はメダルを入れた。あぁ、そういうことか。綾崎に説明しよう。


「これ多分_____」


「なるほどです!メダルを入れるタイミングがあるんですね!!」


よし!どんどん増やしていって大メダル持ちになるぞ!!

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