第165話

「俺は王女様ファンクラブ会長だ!夜見唯桜!もう二度と俺達の王女様に近づくな!!」


「まず誰だよお前」


彩葉は芸能人にも全然引けを取らない美人だしファンクラブがあることは理解できるんだけどそいつらが俺にこんな攻撃的なんだ?.......あ、俺が彩葉と仲良いからか。

別に誰と仲良くするかは本人の自由だしファンクラブが決めつけることではないだろ。まあ自分たちのファンクラブの教祖様が学校一のクズと仲が良いってなったらそうなるか。あとこいつまあまあイケメンだな。こういった○○ファンクラブの会長とかってガリガリの人っていうセオリーがあるんじゃないのか?......そんなことはどうでもいいが。


「俺は1年生の飛来祥吾ひらいしょうごだ!いや、そんなことはどうでもいい!お前なんかが彩葉様と付き合っているなど裏があるに決まってる!!」


付き合っている?あぁ、あのクソメディア部のクソ号外新聞のせいでそう思われているのか。ここでそれを丁寧に否定して説明したいところだけど『あれ?こいつ案外クズじゃない?』と疑問に思われるのも嫌だな。


「別にお前らが決めることじゃねえだろ」


「今まではただの友達かつ生徒会の仲間だから我らファンクラブも目をつぶっていたが付き合っているとなれば話は別だ」


これ何言っても会話が成り立たないタイプの人だ。不破とかあいつらとか周りにそう言った人がいっぱいいるからわかる。でもどうしよう。めんどくさいな。


「唯桜君どうしたのですか?お知り合いですか?」


俺がめんどくさがって適当にあしらおうとしたことろに来るのが遅くて戻ってきたのか彩葉がやってきた。


「王女様!?」


「あー、いや、知らない人。じゃ行こうか」


「待て夜見!逃げるな!!」


クソッ!さらっと帰れば撒けるかな?っと思ってたのに普通に止めてきやがった!!今帰る雰囲気だっただろ!空気読めよ!!


「何?まだ何かあるの?」


「明日からのテストで俺の方が点数が高かったら.....お、俺の言うことを一つ聞いてもらう!俺が負ければ何でも言うことを一つ聞く!わかったか!!」


そう言うとそいつは走って帰っていった。こいつ、本人の前でお前は彩葉と関わるなって言えないからって言い方ちょっと変えてきやがった!!あと俺の返事聞く前に帰りやがったから受けざるを得ないじゃねえか!!


「騒がしい方でしたね」


「そうだな。あ、俺今から今回のテスト本気出すわ」


あんなよくわからない奴に負けて彩葉と話せなくなるのは嫌だからな。

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