第42話 登校と絶望

「うわぁぁ!夏休みがおわってしまったぁぁ!!」


夏休みが終わり俺は零と学校に行っていると零はそう叫んだ。


「零、近所迷惑だぞ。気持ちもわからないことはないけど静かにしないと」


俺は学校が始まると毎日零や同じクラスの友達と話せるから楽しみにしていた派だ。


「だって!だって!」


零はそれだけ言って黙る。今のお前、はたから見ると幼稚園児と同じだぞ。


「急に幼児退行するじゃん。でも学校は行ったら行ったで楽しいし別にそこまで嫌がることじゃないだろ?」


「ま、それもそうだな。今日も一緒に昼ご飯食おうぜ!!じゃあ俺は俺の教室に行くわ!」


教室の前の廊下までついたので俺達はそれぞれの教室に行くために分かれた。夏休み中に遊んだやつもいるしカラオケであったやつもいるけど久しぶりに会う友達もいるから楽しみだな。そんなことを考えながら教室に入った。


「おいおい夜見さんよぉ!夏休みに不破さんと二人でカラオケに行ってたらしいじゃねえか?しかもそのあとホテルの前で見かけたという情報あるぜ?」


「これはいったいどういうことか教えてもらおうじゃないか!!」


「駅前で王女様と二人でいたという目撃情報もあるんだけど?」


「処す!!処す!!」


教室に入った瞬間、いつも通り俺は殺意を向けられた。ちょっとこの状態にも慣れて不破の件ではこうなると思っていたがまさか綾崎と遊んでいたこともばれているとは。やっぱり駅前だとみんなに気づかれるんだな。もし今度遊ぶときは注意しないといけないな。


「不破とは偶々そこで遊んだだけだし綾崎とはバイトしてたみたいなもんだよ。あと俺がどこで誰と遊ぶかは自由だろ!」


しっかり反論させてもらう。勘違いされたままじゃ困るからな。綾崎とは遊ぶっていう目的で駅前まで行ったけどなぜかモデルやってお金ももらったからバイトみたいなもんだろ。嘘はついていない。俺が色々言ってくる友達を適当にあしらっていると誰かから呼ばれる声がした。


「夜見!ちょっとこっち来て!!」


確かあの人たちは不破と仲がいい陽キャ女子たちだった気がする。うわぁ、行きたくないなぁ。断る勇気もないから行くしかないんだけど。


「これ夜見怒られるんじゃね?」


「夜見死刑ww」


「ざまあみやがれ!!」


クッソあいつらめ!戻ってきたら覚えてろ!!俺は絶対あいつらに復讐すると心の中で誓い呼んできた陽キャたちのもとへ向かった。


「何か用?」


何を言われるかはわかりきっているけど一応聞く。


「あんた音羽とはもうかかわらないで欲しいんだけど」


「夜見のせいで純粋な音羽に悪影響を与えているのよ!!」


不破が純粋?何言ってるんだこいつら。あいつは根っからのドMだし俺を強制的にホテルの前まで連れて行った張本人だぞ。


「お前らには関係ないだろ。俺もう教室戻っていい?面倒くさいんだけど」


学校ではクズのふりをすることを忘れない。夏休み中の一か月間クズのふりをしていなかったから忘れないように注意しないと。


「いいわけないじゃない!!」


じゃあどう説明したらいいんだよ!!俺が困っていると後ろから救世主が現れた。


「なんで唯桜っちと話しているの?」


不破!頼むからこの状況何とかしてくれ!!


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